折本をお買い上げいただきありがとうございます&創作振り返り
新たに笹井宏之賞落選作50首の折本をお買い上げいただき、ありがとうございます。
第四回笹井宏之賞落選作品50首を収めた短歌の折本です。
病める夏の日々を詠んだ、ゴシックな療養短歌を収めています。
この恋も忘れてしまう錠剤は不老長寿の薬となって
「しにたみのおさしみ」きみに告げたいの「おさしみ」としか云えないままで
ハルシャギク世界の果てをも埋め尽くし燔祭の焰を待つ初夏
短歌はなかなか思うように詠めなくてもどかしい想いをしているのだけれど、こうして応援していただけることが何よりの励みになっています。
この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
ここのところ日々消耗していて、全く本を読めていない。焦りばかりが募るのだけれど、無理に読もうとして読めるものでもないから、こういう時には読める本を探し出して読むことでつなぐしかない。
そうしてこの一年を送ってきて、小説を書くことができなかったために小説を読むことがとても困難になってしまったし、かといって詩歌集も思うほど読めなかった。
忸怩たる思いがあるけれど、そうはいっても何度希死念慮が頭をもたげたかわからないこの一年をなんとか生き延びただけでも良しとしたい。
成果としてはココア共和国に三ヶ月連続で佳作として採っていただけたことと、『図書館という希望』を上梓できたことだけども、それらも読んでくださった読者の皆様のおかげと、心から感謝しております。
ブログ「広寒宮」で綴ってきた図書館にまつわるエッセイに書き下ろしを加えた、図書館エッセイ集です。
「もうひとつの家」としての図書館との付き合い方や、蔵書にまつわること、一利用者から見たコロナ禍の図書館の記録、幼少期に通った図書館との思い出など、今だから読みたい内容をぎゅっとまとめました。
本書が図書館を愛するすべての人の友となりうることを心から願っています。
-収録作品-
図書館という希望
ふたつの棚
図書館という友人
ふたたび図書館へ一
図書館の使い方を模索する
コロナ禍の図書館について
蔵書の整理
ふたたび図書館へ二
先達の目とBANANA FISHにみる図書館の精神
図書館という知の海に漕ぎ出す
図書館で知を拓く
学校の図書室の思い出
非常事態宣言下の図書館
本書に登場した書物
来年も何らかの形で電子書籍を出せるといいなと思っているし、ココア共和国や、他の詩誌への投稿にも励んでいきたい。
病気で思うように創作ができなかったこの一年は随分と苦しかったけれど、来年はもう少し気持ちも楽になって、創作や読書に打ち込めるといいなと願っている。
うまくいかないことだらけでも、それでも一定の成果を残せたのは、それだけ自分自身が動いてきたという証拠でもあるし、まずはそれを認めて、次の飛躍へとつなげていきたい。