「不在の音楽」─越えられない夜のために─
おかげさまでカクヨムランキングに一週間入り続けることができたので、新たに詩を公開しました。
私にとって詩は唯一無二の友です。
アンナ・カヴァンが、そしてシルヴィア・プラスが病を患いながら小説や詩を書きつづけたように、私にとって詩は、私が私であるためになくてはならない存在です。
詩がなければ乗り越えられない夜を幾度も越えてきて、今もその困難な夜のさなかにいます。
私の詩が、そうした夜を今迎えている方々にとって、わずかながらでも力になり得れば、これに勝る喜びはありません。
夜をうまく越えられずに、絶望の只中で朝方の夜明けを待つばかりの日々も過ごしてきました。
相談窓口もとうに閉まって、語り合える友もなく、膝を抱えてうずくまるのが精一杯という夜を何度も味わってきました。
絶望というものは、ただひたすらに耐えるものではなく、むしろそこに深く分け入って、味わい尽くすしかないものなのかもしれません。
私の詩に光はなく、ただ味わうばかりの苦味しかないかもしれません。
しかし辛酸を舐めて味わわなければ生まれない詩もあります。
そうした詩を書くに至らない方が幸せなのは云うまでもありませんが、私の持病はおそらく生涯つづくので、今後も幾度となく泣くことすらできない夜を迎えることになるのでしょう。
それでも共に詩があると信じられる限り、なんとか生きてゆきたいと思います。
私の詩が越えられない夜のほんのひとときだけでも、読者の方々の傍に寄り添えることを心から願っています。