作家という夢をあきらめて、新たな道へ

うつが悪化して、やりたいことと、やりたくないこと、やっていて楽なこととやっていて負担になることを仕分ける必要性が出てきたので、アナログノートに書き出しました。

そこで、私のやりたいことというのはあくまでも創作やブログの執筆であって、それも負担にならない程度に創作活動を持続的につづけることが第一だという結論に達しました。

私にとって詩歌はそのひとつの選ぶべき道で、小説を書く余力は今のところやはりどうしてもないのです。

ならば詩歌を徹底して読んだり作ったりすることに時間を割きたいし、結局のところ自分にとって詩歌によって自己実現を図ることが最適な道なのかなと感じます。

持病によって作家という夢を諦めざるを得ないのは、私にとって持病によって院進を諦めざるを得なかった学生時代につづいて、二度目の挫折となりますが、それでも前を向いていきたいです。

私にとって嘉村詩穂名義で書いた「ニライカナイ」を『ココア共和国』2021年9月号に佳作で採っていただけたのは、そのひとつの希望の光になりました。

プロになるとか、ならないとかはさておき、たとえ趣味であっても詩歌を作りつづけることを目指したいと思います。

今はさらに詩集や歌集の折本を作るべく、詩作・作歌に励んでいるところです。

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booth.pm

夜を歌った詩を四篇収録しています。 


 細部を検分する間もなく闇は濃くなり、男の、女の、あるいはそのどちらでもない声が満ちた密室に閉ざされたまま炎に包まれて、ちいさな球体を抱えてうずくまったまま、はるか遠くから聞こえてくる無声の音楽に耳をすませる。──「夜の音楽」より

 -収録作品- 
 精霊流し 
 夏の亡霊 
 夜の言葉 
 轟音を友と呼ぶ

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booth.pm

海をテーマにした散文詩5篇を収録した折本歌集です。
 行く宛のない「あなた」への手紙、焦がれるような夏へのサウダージ、終わる夏への挽歌をサブテーマとしています。  


 越境する神々を信じながら、不信の顎門に囚われて、なすすべもなくあらゆるきみたちを恨み、(きみの聴く講談のアウトローたちは怒りを暴発させても浄土は三千光年先だね)(絶望の只中を周回しつづける船に乗ることを宿命づけられた者たちの系譜に連なる私もまた)眠る場所さえない。──「大時化の海へ」


-収録作品- 
大時化の海へ(現代詩手帖落選作) 
あなたへ 
女神の痕
神の国より 
魚地獄

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booth.pm

ゴシックな雰囲気が香る療養短歌30首を収めています。  
天上のアガパンサスアガペーを我に給えよ病篤くなり 
 青薔薇の冠授けよとこしえに無数の棘は言葉となれり

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booth.pm

療養短歌をテーマに詠んだ、短歌30首を収めた折本歌集のPDFです。

失われた恋への挽歌、過ぎ去った夏へのノスタルジーをサブテーマとし、ダークでゴシック、耽美な作風を志向しています。  
世の終わり詩神は死せず海の果てきみとふたたび巡り逢うまで  
AnthemはCoccoだったね沈黙を守ってふたり白百合の園

そうした気持ちもあって、唐戸信嘉『ゴシックの解剖』を読みました。

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学術書というよりはエッセイで少し物足りなかったけれど、ゴシックという文化が死や身体に深く根ざしていることは私の創作とも密接に関わることだと認識できたし、保守主義とゴシック文化は深い関わりがあることも自分自身の思想と重なる部分があって、自分の創作スタイルを補強できてよかったと思う。
自分の創作の方向性がブレそうになっている今、読めて良かった。単なるモティーフや表面的かつ審美的な視点を越えた精神性を改めて認識できた意義は大きい。
ゴシック文学はほとんど読んでこなかったので、できれば海外のゴシック文学にも触れたい。

自分の作風を改めて見直す良いきっかけにもなったので、次はリテラリーゴシック・イン・ジャパンを読んだり、そこからさらに作家や詩人・歌人俳人などを掘り下げていきたいと思います。

表層的・趣味的な耽美主義ではなく、より深い精神性に根ざしたゴシックを志して、さらに詩歌や小説に触れるとともに、自分にとっての必然性を担保した上でよりゴシックカルチャーを掘り下げていければと考えています。