8月の読書振り返り

 

短歌

特集の「抽象VS.具象」がとても良かった。私はやはり具象に端を発しない短歌というものは、どこかで頭打ちになると思っていて、文学というものが必然性を抜きにして成立しえないのだとしたら、短歌における具象はその必然性、いわば作品の魂に他ならないと信じている。
葛原妙子も、そして塚本邦雄も、具象を抜きにしては成立し得なかったというところに希望を抱けた。
また掲載されている短歌では特に横山未来子が良かった。彼女の歌集は以前主人にプレゼントしてもらったので再読したい。

 

抒情と肉体と植物が交錯する詩的な短歌の数々に魅せられた。花鳥風月が解体されて、極めて現代的な肉体へと落としこまれていくところに大きな特徴があり、それは希有な才能だと感じた。短歌というよりは現代詩のような味わいのある作品集だった。

 

学術エッセイ

学術書というよりは学術エッセイという趣で、あちらこちらに話が飛んだり時代が飛ぶので、あくまでも一般書として読むのが良いのだろう。
学生時代の良い復習になったし、明治政府による神仏分離令廃仏毀釈の影響によってそれまで祀られていた無名の神々が、記紀の神々に置き換えられたことで、神殺しが起きたということは重く受け止めねばならない歴史的事実だと考える。
また私度僧については学生時代に学んだけども、彼らの一部が修験道の山伏となっていったことなどは初めて知った。
とはいえ全体的に妥当性に疑問を感じるところも多々あり、さらなる批判が必要な本だと考える。
引き続き神道を学ぶとともに、民俗学も併せて学んで、より広い視点から日本の信仰の古層に迫りたいという気持ちが高まった。

 

今では失われつつある民俗芸能の秀逸な写真の数々に深く心を打たれた。学術書ではなくエッセイだが、美文の数々に魅せられ、日本の信仰の文化の豊かさに知的好奇心をそそられる。秩父の養蚕についても触れられていて、もっと深く知りたくなった。

 

ムック

前巻の方が好きだったけれど、今回の見所はなんといっても作家陣による台所にまつわるエッセイ。
どれも魅力的でしたが、千早茜さんの台所が居場所となっているという趣旨のエッセイや、岡根谷美里さんの「賑やかな台所」の台所という場所の持つ可能性と自由さを感じられたエッセイが良かったです。
また今回は男性陣の台所もいくつか紹介されていて、好感を抱きました。ぜひ主人にも読んでほしい一冊です。

 

ブログ原稿・勉強用に読んだ本

 

詳細は日記やブログに反映させてきたので、感想はここでは省く。

aniron.hatenablog.com

aniron.hatenablog.com

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snowrabbit21.hatenablog.jp

 

漫画

とりあえず5巻まで一気読み。
那田蜘蛛山篇は本当に反則だから……泣くしかないから……。
家族の絆を描く物語という点で突出しているし、現代において忘れられかけている血縁の善き物語がここにある。
炭治郎の心理描写はアニメ版の方がより掘り下げられているし、鬼のひとつひとつのエピソードの掘り下げも、アニメ版の方がより深く、アニメで化けた作品なのかなとも感じるけれど、それでも原作には原作の魅力があって、特に女性陣が魅力的。
今のところ禰豆子ちゃん推しだけど、主人は胡蝶しのぶちゃん推しらしい。これから彼女のことも掘り下げられるだろうから、今から楽しみ。

 

90年代りぼんっ子には懐かしい小花美穂水の館』の表題作のみ読了。この方のホラー漫画は幼少期はトラウマだったのだけど、「水の館」は好きだった記憶があって再読。ホラーというよりも幻想怪奇譚で、美しい絵のタッチと相まって、とても魅力的です。

 

まとめ

ここに載せていないものも含めて合計16冊、まさに乱読と云っていいひと月になった。

ブログを書きつづけるためにも、そして自分自身の興味関心の幅を広げるためにも、今後とも本を通じて勉強をつづけていきたい。

積んでいる本も増えてきたし、随時崩しつつ、自分の関心を掘り下げていこうと思う。

また詩歌は先月はあまり読めずじまいになってしまったけれど、今月はもっと強化していきたい。

短歌は積読本が少しずつ減りつつあるけれど、詩はまだまだ積んでいる作品も多い。

少しでも自分の糧とできるように励みたい。