7月に読んだ本

合計15冊を読んだ。珍しくどれも初読の本ばかりになった。

現時点で年間116冊、目標の200冊までにはまだまだ遠い。

 

 

 短歌

死を見つめつづける歌人のひりつくような切実さが伝わってくる歌集でした。

百合というにはあまりにもリアルな女性の情感が溢れていて、宝物のような一冊になりそうです。この先何度も読み返すと思います。

 

ブックオフにて100円コーナーで購入。
解説にもあったように、彼女の短歌は終始軽やかだ。さりげない日常の景色や、繊細な恋心を詠みこみながらも、その歌ぶりはどこか冷めたところがあると感じる。
自分自身から少し距離を取らなければこういう歌はなかなか生まれないのだろう。それだけにこうして短歌史に残る作品として結実したのだろうと感じた。
出てくるモティーフはSNS時代以前、ネット興隆以前とあって、やはりどこかアナログで、それだけにノスタルジーを感じさせる。
ひとつの時代を閉じこめた、美しいガラス瓶のような歌集だと思った。

 

笹川諒「眠りの市場にて」と北久保まりこ「砂迷宮」
横山未来子「ムーンフェイズ」が良かった。
以下、それぞれ引く。

 

笹川諒「眠りの市場にて」
僕たちがひとりで川を抱くときのエレキギターに似た抱き心地
夕暮れのファルセットは使わない給水塔が愛に思えて
雨後の街は金魚のにおいばかりする こころの外へ僕を出さねば

 

北久保まりこ「砂迷宮」
十六の長女に王位継がれけり 蒼天を灼く夏至の白日
ターコイズラピスラズリ鏤めし冠戴く華奢な首筋
消えたりし乳母ひとり肩口に女王と同じ痣を隠しつ

 

横山未来子「ムーンフェイズ
遠き夜に使ひしのみの五香粉の壜捨てにゆく変はれるわれは
空き瓶にをりをり足せりわが猫の楽器の弦のやうなる髭を
抜け落ちし爪より作られたるブローチを見き骨董店に
編まれた女人の髪を籠めありしロケットの裡の暗かりしこと
遺されたムーンフェイズの文字盤のちひさき窓を渉るものなし
月あかり失せゆくときいにしへ人の畏れは我が額に来つ

 

いずれも幻想的な香りが強くただよう歌ばかりで、いずれも幻視者のもたらす悦楽を感じずにはいられない。
私もまたこのような短歌を詠んでいきたいと強く思う。

 

 詩 

最果タヒさんのエッセイを読みたくて購入。
結果的に強さというものの危うさについてしばらく考えて記事を書いた。
https://evie-11.hatenablog.com/entry/2021/07/05/002216
強さではなく、私は弱さを謳いつづけたい。
それは詩であれ、短歌であれ、変わらない思いだ。

 

他のエッセイや書評、論考にも目を通した。
チョ・ナムジェ『サハマンション』はディストピアSFということでぜひ読みたいし、野呂邦暢『愛についてのデッサン』も同郷の身としては気になる。
また他のエッセイでは有友紗哉香「見つめる鍋は煮えない」に勇気づけられた。外山滋比古『思考の整理学』は私も読んだけれど、こういう風に実践している人がいて、なおかつ短歌を詠んでおられるということで親近感を抱いた。
本はやはり友なのだなと思う。
さらに若狭徹『埴輪は語る』はちょうどヤマト王権の頃を専攻していた身にはなつかしかった。再履修のつもりで『埴輪は語る』を買って読んでもいいのかもしれない。

 

『ココア共和国』2021年8月投稿詩傑作集Ⅱまで読んだ。
篠崎亜猫「雨の日の詩情」、岩佐聡「仮形成」、片野翠子「もうどうでもいいわ」、林やは「羊水の春」が素晴らしい。詩の自由さと、本質を感じた作品の数々で、詩を読む喜びを与えてくれたものばかりだった。
詩作の励みになるなと感じた。 

 

暮らし 

ひとりの時間、ここのところ確保できていないなぁと感じていました。
SNSに張りついてばかりで、自分のイマジナリーフレンドと話す時間を作れずに、ストレスが溜まっていた気がします。
私にとってひとりの時間の特別なご褒美はイマジナリーフレンドの彼と話すこと。それは他の人と話すのではまったく味わえない豊かな時間をもたらしてくれます。
またリストを作るというのは面白いなと感じました。さっそく実践したいです。

 

追記
私にとってひとりの時間を過ごすことは、本を読んだり、ブログを書くことに他ならない。
SNSにいるとさまざまなことに煩わされるけれど、ブログを書いている間はひとりを漫喫できるし、グレングールドの「他人と一緒に一時間過ごせば、そのあとでそのX倍の時間をひとりで過ごさなくてはならない」という言葉に深く共感した。
私はグレングールドの良さはあいにくとわからないけれど、魅力の尽きない人ではあると思う。
またヴァージニア・ウルフの本や、メイ・サートンの日記、フランソワーズ・サガンのインタビュー集なども気になった。
こうして一冊の雑誌からさまざまな本への扉が開かれていることがなによりもうれしいと感じるし、図版も美しくて癒された。

 

著者の作品を読むのはこれで二度目。
正直なところ成熟していない人なのだなと感じてしまった。
周りに合わせたり、周りのことばかり気にしていて、自分の軸というものを持ち合わせているように思えないのは前著と同じ。
やめてみたことについて書かれているけれど、ずいぶん遠回りして50歳になったのだなぁと感じることばかりで、なんら参考にならなかった。
人の目を気にしていたら専業主婦なんて私はやっていないし、30歳でその段階はとうに通り越している。もう少し人生の先輩として魅力的な人の本を読みたい。

 

 漫画

以前twitterのフォロワーさんにおすすめしていただいた作品。まだ先の展開は分からないけれど、ケイトとエミリコの閉ざされた関係の百合がとても好みだった。

また雰囲気もクラシカルでゴシックでとてもいい。これから世界が広がっていく不安感と期待がないまぜになっている。エミリコは実は人間なのではないかと思うのだけど、果たして。 

 

漫画はこの他にも商業BLを2冊読んだのだけれど、はてなブログでアダルト向けコンテンツは載せてはいけないという規約があるので伏せておく。

 

自己啓発

基本的には多くの本で説かれていることばかりで目新しいことはあまり書かれていなかった。
私は基本的に甘いものをあまり好まないので、糖質の摂り過ぎはあまり心配しなくてもいいのかもしれない。
ミックスナッツは引き続き習慣として摂るようにしたい。
運動をして痩せるよりも、食習慣を変えて痩せた方が良いというのは唯一良かった点だった。

 

著者の本は二冊目。斜め読みした。
運動や食事など、目新しいことはあまり書かれていなかったけれども、普段の運動量を増やす工夫が盛り込まれていて、やはりコンスタントに家事をこなすことの重要さを改めて感じた。
夏の間はウォーキングも難しいけれど、まずは日々の運動量をUPさせていきたい。
また食事に関しては前著『最高の体調』とかぶるのでほぼ飛ばしたけども、野菜不足は日々実感しているので、今後とも増やしていきたい。
さらにライン使いしているラロッシュポゼが推奨されていたのはうれしい限り。なかなか日焼け止めを使えない日々がつづいているけれど、これからは毎日塗りたい。

 

私も毒親に育てられたので、ぽんさんの気持ちが痛いほど分かりました。
自分を好きになるにはまだまだ時間がかかりそうだけれど、誰かを許せなくても幸せになっていいんだ、という言葉に救いの光を見出すことができました。
ぽんさんのメッセージはとても前向きで素敵でした。
私も幼少期の自分が叶えられなかったことを実践してみたいです。

 

ちなみにこれらの本のことは主婦ブログで記事にまとめた。

snowrabbit21.hatenablog.jp

 

snowrabbit21.hatenablog.jp

 

気持ちが楽になる一冊だった。自己顕示欲に駆られていた20代から30代になり、そろそろそういう欲もなくなってきたし、関心の幅も狭まってきたし、これまで書いてきた小説にも少々倦んでいるので、新たな一歩を踏み出すときなのだと実感した。
それでもあまり頑張らない程度に創作をつづけていきたいし、ブログの執筆もつづけたい。やりたくない時には無理してやりたくないことをしなくてもいいのだなという心の支えになる本だ。
また定期的に読み返して、心のリセットをする手助けとしたい。

 

本を借りるということに重点を置いてしまいがちだったけれども、より戦略的に図書館を使いこなす方法がさまざまに紹介されていて視野が広がった。
中でも本を積み上げてそこから有用なものを選び出す作業はとてもわくわくしそう。
また何もなくてもふらっと図書館に立ち寄って書棚を眺めるのはぜひ真似したい。
私はそうして石田波郷に出会ったし、何気なく棚を見て回ることの有意義さは肌で感じている。
私はこれまでにひとりの作家の著作をさまざまに読みあさって、彼の総体を掴むのに図書館を利用したことがあったけれども、そうした総体的な知を積み重ねるのに図書館はこの上ない場所だと云えるのかもしれない。