短歌30首の折本『晩夏の詩神』のPDF配信をはじめました
短歌30首の折本『晩夏の詩神』のPDF配信をはじめました。
療養短歌をテーマに詠んだ、短歌30首を収めた折本歌集のPDFです。
失われた恋への挽歌、過ぎ去った夏へのノスタルジーをサブテーマとし、ダークでゴシック、耽美な作風を志向しています。
世の終わり詩神は死せず海の果てきみとふたたび巡り逢うまで
AnthemはCoccoだったね沈黙を守ってふたり白百合の園
頒布価格は100円となっています。
おかげさまでさっそくお買い上げいただき、ブーストもいただいておりまして、大変励みになります。
主人に見せたところ、「生気を奪い取られるような短歌だね」と評されてちょっと落ちこんだのですが、絶望している人と同じ地獄に立っているよ、という歌集を作っておきたいという想いに変わりはないのでいいのかなと。
病気で連日希死念慮に苛まれて落ちこんでいた時期に、私は日記を支えとして生きてきて、それを短歌という形でも表現できればいいなと思っていたのでした。
おかげさまで連日読んでくださる方もいて、その方々に支えられて今があると思っています。
誰にも助けを求められない日々の中で、確実に日記は私の命を救ってくれました。
その恩返しもかねていて、直接的な影響としては、療養俳句の金字塔と謳われる石田波郷『惜命』から出発して、鬱の闘病を詠んだ歌集である梅地和子『鬱の壺』から療養短歌を詠もうという決意に至ったのですが、おかげで無理のないペースで日々短歌を詠んでいます。
ここのところCoccoを聴くことが多くて、Coccoもまた同じ地獄に立ってくれるアーティストなので、彼女には遥か遠く及ばないながらも、そうした地獄の底でもがき苦しんでいる誰かに届けばいいなと考えています。
ネプリ配信も一瞬考えたのですが、なにせ暑いのと、こんなご時世なので私自身外出が難しく、あまり読者の方に負担をかけたくないという想いから断念するに至りました。
来月にはおりひめ歌会の歌会も控えているので、意欲が落ちることはあっても、それでも日々短歌を詠みつづけていきたいと思います。