新作掌編「黒真珠国」を公開しました&鏡花のこと
いきつらなので掌編を書きました。
死にたい気持ちを抱えた人間を、傍で見守ってくれるゲートキーパーなる言葉にぶつかるたびに、私にはそういう人はいないし、とてもつらい気持ちになります。
誰にも迷惑をかけたくないから、ひとりでじっと耐えるしかない。
相談窓口に相談をしてもその時々で波長が合ったり合わなかったりして、なかなか難しいですね。
そういう中でも詩が友でありつづけていること、こうして掌編を書く余力がまだ残されていることに感謝したいと思います。
ゆくゆくはまた1000字掌編などを書いたり、少しずつリハビリをしながら、小説執筆への道筋を立てていきたいと考えています。
掌編の内容に触れておくと、実話をベースにして、鏡花の「海神別荘」の要素をいくらか盛り込んだ内容になっています。
「海神別荘」はシネマ歌舞伎を二度観に行くぐらい好きな作品で、大好きなS.E.N.Sが音楽を手がけているのもうれしいポイントです。
主人ともこの作品で読書会をして、セリフ回しが気に入ったらしく、時々演じてくれます。
恋愛至上主義を掲げ、結婚をして家父長制の家庭に入らざるを得ない女性のあり方に強い抵抗感を抱きつづけた鏡花の作品は、結婚した今だからこそ余計に胸に響くものがあって、また再読したいなと考えています。
その後、金沢文芸館へ。中井英夫や金井美恵子の本も展示されていました。大変ボリュームのあるお昼をいただいた後、金沢二十一世紀美術館へ。茶室で波津彬子さんの展示を観て、パンフレットを買いました。東雅夫さんの解説もあって二度美味しかったです。御朱印は鏡花ゆかりの久保市乙剣宮のもの。 pic.twitter.com/p5PxEqqd7T
— 雨伽詩音 (@poesy_rain) 2017年10月8日
初版道(@signbonbon)さんからお年玉プレゼントとして泉鏡花『斧琴菊』の初版本が届きました。小村雪岱の装画がうつくしく、見返しの芥川の自筆原稿も貴重で、大変よいお正月を迎えることができました。どうもありがとうございます。手持ちの鏡花コレクションに加えて大切にいたします。 pic.twitter.com/XRa3WADKV1
— 雨伽詩音 (@poesy_rain) 2017年1月1日
芥川全集と『鏡花小説・戯曲選』を自室に収めました。 pic.twitter.com/T8QSzp61b0
— 雨伽詩音 (@poesy_rain) 2019年6月23日
#セントパトリックスデー🍀 ここはやはり岩波文庫の鏡花コレクションで。 pic.twitter.com/rVg8Aaamxo
— 雨伽詩音 (@poesy_rain) 2018年3月17日
思い返せば泉鏡花記念館にも行けるうちに行っておいて本当に良かったなと思っています。
あの頃はまだいくらか体調も良かったですし、コロナ禍の影もなかったですし、なにより波津彬子さんの鏡花作品の原画を拝見できて、本当にうれしかったです。
また金沢も再訪できる日が来るといいなと願っています。