2021.06.16 アンナ・カヴァン『草地は緑に輝いて』

Twitterでフォロワーさんが私の記事を参考にして、アンナ・カヴァンアサイラム・ピース』を手に取ってくださったと聞き、大変光栄に思った。

evie-11.hatenablog.com

私も『草地は緑に輝いて』を読み止しのままにしていたので、ふたたび手に取って読み終えた。

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彼女らしい、不安に包まれ不条理に満ちた冷徹な世界に、日々自分が感じている世界の残酷さを重ね合わせずにはいられなかった。

「氷の嵐」「鳥たちは踊る」「受胎告知」「未来は輝く」が好み。
「鳥たちは踊る」のグロテスクさ、「受胎告知」の「アサイラム・ピース」を彷彿とさせる悲嘆、「未来は輝く」の不条理なSF譚、いずれも粒ぞろいで、この本を手に入れられて良かったと心から思う。間違いなく今年のベスト10冊に入る作品だ。
またカヴァンが画業もしていたというのは知らなかったのでさっそく検索してみたい。 

 

検索してみるとアンナ・カヴァンの絵画もたしかにヒットした。

https://housesofsleep.tumblr.com/post/180993211442/two-untitled-paintings-of-swans-no3-1950-and

housesofsleep.tumblr.com

 想像どおりアウトサイダーアートを彷彿とさせる画風だ。

この絵の数々にどれほどの負の感情のエネルギーがこもって発露しているのだろうかと思うと、恐ろしささえ感じる。

私はどちらかというと小説の方が好きだけれども、病に臥せりながらも、それでもなお何かを表現せずにはいられなかった人の想いの切実さに深く胸を打たれてやまない。

 

読み終えて数時間経ってこの文章を書いているのだが、振り返ってみるとやはり「鳥たちは踊る」「未来は輝く」はひとつのカヴァンの極地を示した作品ではないかと思う。

殊「未来は輝く」に至っては、ディストピア小説としてはそう顕著な世界観ではないものの、〈ハイシティ〉の下層に位置する〈レーンズ〉の描写などは鬼気迫るものを感じる。

思わず短歌を四首ほど詠んだが、まだ公募に投稿することになるかもしれないので、現時点では公開しないでおく。

「受胎告知」は『アサイラム・ピース』を彷彿とさせる作品で、「氷の嵐」は解説にもあったように『氷』につながる作品なのだろう。

 『アサイラム・ピース』は読み返したいし、この次は『氷』を読みたい。

 検索してみるとさまざまなアンナ・カヴァン作品が刊行されているし、順に手元に迎えて読めるといいなと願っている。

彼女の絶望や悲嘆に触れることが、私にとっては痛みを分かち合うひとつのよりどころとなっているのは間違いない。

そうしてさまざまに病める作品に触れることで、今一度自分と創作との付き合い方を学ぶ糸口にしたいし、自分の孤独を癒すひとつの手だてとしたい。

 

またアンナ・カヴァンなどの硬質な世界観の作品に触れると、どうしてもMASAYOSHI IIMORIの音楽を思い出さずにはいられない。

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硬質で、残酷で、それでいて美しい。その世界を存分に味わえた喜びをかみしめたい。