2021.06.12 アンナ・カヴァンと届いた本と

藤原龍一郎赤尾兜子の百句』が届いた。

f:id:evie-11:20210612172303j:plain

f:id:evie-11:20210612172314j:plain

赤尾兜子の名については、鷲巣繁男の句集『石胎』のあとがきにその名があって知った。

また藤原龍一郎に関しては、以前に藤原月彦として句集を出しており、その影響を多分に受けて私自身も句作をしているため手元に迎えることにした。

まだ読めていないのでこれから読むのが楽しみだ。

ここのところ詩歌集を積んでしまうことが増えているので順次崩していきたい。

短歌に軸足を移したので、今はなかなか俳句を詠めていないのだけれど、先日主人が歳時記を朗読する会を催してくれたので、また詠めればいいなと思っている。

kakuyomu.jp

 

そして昨夜からアンナ・カヴァン『草地は緑に輝いて』を読みはじめた。

f:id:evie-11:20210612172241j:plain

f:id:evie-11:20210612172250j:plain

アサイラム・ピース』を再読した方が今の気分に合うだろうかと思ったのだが、こちらも相変わらず陰鬱な空気が垂れ込めていて良い。

半分ほど読んだ中では「受胎告知」「氷の嵐」「鳥たちは踊る」が好みで、「受胎告知」は『アサイラム・ピース』を彷彿とさせる閉ざされた館が舞台の作品ということもあって、少なからず自分の境遇を重ねながら読んだ。

「氷の嵐」は終末世界のような荒天のアメリカの都市が舞台で、その硬質な雰囲気が良い。ハードな世界観を描く作家が好きで、たとえば伊藤計劃虐殺器官』、コーマック・マッカーシーザ・ロード』などはとても好みなのだけれども、このアンナ・カヴァンの描く世界もそれに近しいものがあると感じる。 

 伊藤計劃虐殺器官』は罪業感を描く作品でもあり、アンナ・カヴァンの悲痛な叫びと相通じるものを感じる。ひりひりとするような切実な必然性の上に描かれた小説が私は好きだ。

「鳥たちは踊る」は壮絶なSF小説で、想像力の飛躍の極地と云ってもいいのかもしれない。凄まじいものを読んだという読後感に包まれた。なかなか常人には書けない作品だと思う。

精神を病みながらも作家として活動し、やがて死に至ったアンナ・カヴァンに対して、少なからず尊敬の意を持ちながら、どこかで嫉妬している自分がいるのを自覚してしまう。

先日書いた詩「夜の言葉」は、多分にアンナ・カヴァンの影響を受けて、希死念慮が高まっている時の衝動に任せて書いた。

evie-11.hatenablog.com

しかしやはりこの世界には遠く及ばない。想像力を飛翔させながら深い絶望を掘り下げて、なおかつそれを徹底して突き放す。素人にできる芸当ではない。

中には現代詩めいた作品も多く、長編の散文詩として味わえる作品もある。

まだまだ私は遠く及ばないけれど、少しでもアンナ・カヴァンの作品に触れて、その養分をしっかり受け止めたい。

『氷』も積んだままなので引き続き読みたいと思っている。

owlman.hateblo.jp

こちらの紹介記事を読んで、やはり今アンナ・カヴァンに触れることには私なりの必然性があるのだろうと感じた。

ぜひとも『草地は緑に輝いて』のあとに手に取りたい。