何者にもなれない焦りを抱えながら這ってでも生きる

昨夜は俳句の新人賞の募集要項を見て、応募しようかとも思ったのだけれど、私は毎日何十と俳句を詠むだけのバイタリティを持ち合わせている人間ではないし、趣味的に俳句をやっていればそれで十分なのかもしれないと思い直した。

kakuyomu.jp

どうにも弱っていて「何者にもなれない自分に対してどうしようもなく焦る」という周期が巡ってきているらしい。

友達もろくにいない、病弱な子なし専業主婦をやっていると、自分のあまりの価値のなさに心底滅入ってしまうことがある。

Twitterにいた頃は座の文芸としての同人活動の場がある程度機能していたから、次々と何らかのプロになっていく人と自分とを比べて焦る気持ちもあったけれど、それでもいくらかは自分の作品に対して肯定的な気持ちを持っていられた。

しかし今はカクヨムとKDPだけが頼りで、コンスタントかつインスタントに承認欲求を満たせない。

評価をさほど気にするタイプではなかったはずなのに、何者でもない自分を突きつけられると、とたんに萎縮してしまう。

持病による自己評価の低さもそれに拍車をかけていて、相乗効果で参ってしまう。

私は弱い人間だなとつくづく思わずにはいられない。

それでも弱音ばかり吐いていてもしょうがない。どんなに昔が良かったとしても、そこに拘泥していてははじまらないし、前に進むしかない。

 

とにかくこういう時には自分のやりたいことにフォーカスするしかない。

そういうわけで一つ前の記事を書いたのだが、その後著しく消耗して持病の発作が出た。 

こうなってしまうともうどうしようもない。

今はできる範囲のことをやって、泥水を啜ってでも這ってでも生き延びるしかない。

生き延びた先に何があるのかなんてわからない。

何もないかもしれないし、何者にもなれないままかもしれない。それでも電子書籍という形を残すことはできるかもしれない。

今はこの二冊の散文詩集につづく、新刊を出すことだけが当面の目標だ。

挽歌-elegy-

挽歌-elegy-

 
真珠姫の恋

真珠姫の恋

 

 以前、私が主宰している文芸サークルに所属し、二児を育てている友人が「作家になれなかったとしても、それでも人生はつづいていく」と云っていた。

そういう人生に価値を見出せるかどうかということなのだと思う。

私自身はまだそこまで至っていないから、足掻ける範囲のところで足掻くしかない。

かつての創作仲間の多くは、仕事や育児に忙しく、今は創作から離れている。

私が唯一「詩人」と呼ぶ人も詩作から離れて久しい。

そんな中で無駄に足掻いて創作をつづける私に、実際のところどれほどの価値があるのか分からない。それでもやめなければ蓄積していくものもあると信じている。

 

 

Twitterをやめたことを悲観的に捉えていたけれど、小説とじっくり向き合うという点ではむしろ好機と捉えた方がいいのだろうと思う。

短期的に評価を求め、自分の作風を固定させてTwitter受けする小説を量産するよりも、自分の書くべきものとしっかり向き合って、できるだけ多くの本を読んでその像を明確な形にしていく。

これはTwitterにとどまってひたすら承認欲求を満たそうとするばかりでは叶えられない。

プロ作家にホラーを書くことを勧められて、それを自分のものとしてしっかり消化するまでに半年の月日を要したけども、それもTwitterでの評価を気にして、これまで通りの作風に甘んじていたら、到底たどり着くことはできなかっただろう。

プロからは「可能性を感じる」との評価をいただいて、こちらの作品のリライトを勧められているので、もう少し体調が落ち着いたら取りかかりたいと考えている。

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kakuyomu.jp

 

この二ヶ月、日記を書くことを通じてただひたすら自分の内面と向き合い、さまざまな本を読んできた。

aniron.hatenablog.com

それらが直接的に創作に役立つかどうかは分からない。

ただPTSDによる人間不信の深刻さは、もはやホラーを書く以外に書けるジャンルはないと思えるほどつらいものだったし、その絶望を味わった人間だから必然性をもって書けるものもあるのだろうとかたく信じている。

そうした必然性に根ざした物語しか私は基本的に信頼していない。

だから伊藤計劃を好むし、あるいは現代日本文学だと、村田沙耶香桜木紫乃に感銘を受ける。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

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  • 作者:伊藤計劃
  • 発売日: 2014/08/08
  • メディア: 文庫
 
コンビニ人間 (文春文庫)

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消滅世界 (河出文庫)

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氷平線 (文春文庫)

氷平線 (文春文庫)

  • 作者:桜木 紫乃
  • 発売日: 2012/04/10
  • メディア: 文庫
 

もちろん彼ら彼女らにはプロとしての技術があるからこそ小説として成り立っているのだけれど、作家の必然性というものは小説の魂を作るものだと私は信じている。

むろん近代文学に至ってはもはや必然性の塊でしかない。その前提はすでに学生時代に通ってきているし、今後とも再読を通じて学ぶべきものは多い。

たとえジャンルは違っても、そうした作家の小説をもっと読んでいきたいし、そうして得たものを少しでも自分の創作に生かしていきたい。