松野志保歌集と葛原妙子歌集、石田波郷『惜命』

先日注文していた詩歌集が次々に届いた。

 

野志保歌集『われらの狩りの掟』

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 松野志保歌集は楽天ブックスで予約していたのだが、在庫を確保してもらえず、やむなくhontoで購入した。

この手の本はやはりhontoが強いのかもしれない。

野志保の短歌はかつてTwitterを通じて知って、ぜひとも歌集を手に入れたいと思っていたのだが、あいにくと既刊はすべて絶版になっており、なかなか手に入れる機会がなかった。

この本もしばらく積んでしまうことになるかもしれないが、それでもやはり手元に置いておきたい。

検索してみると折本の歌集や同人誌もあるとのことで注文した。

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葛原妙子『憂犬』

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たまたま検索したところ、葛原妙子『憂犬』がヒットしたので購入することにした。

葛原妙子の歌集は『鷹の井戸』につづいて二冊目だが、まだいずれも積んでいる。

読まねばと思いつつもきっと多大な影響を受けることになるだろうし、好きのど真ん中を射抜いてくるのは分かっているから、もったいなくてつい先延ばしにしてしまう。

とはいえここのところ図書館で詩歌を借りて読む頻度も増えてきたし、この調子で積んでいる歌集にも手を伸ばしたい。

 

石田波郷『惜命』

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図書館で石田波郷の俳文集『江東歳時記・清瀬村』を借りてから気になっていた『惜命』をようやく手元に迎えた。

 かねてから日本の古本屋でチェックしていた品がまだ残っており、この機を逃すまいと注文したのだった。状態はあまりよろしくないけれど、他は軒並み高値で取引されているのでまあ致し方あるまい。

すでに内容は図書館で全句集本を借りて読んでいるので、感想を転載しておく。

図書館本。
療養俳句の金字塔と呼ばれる本書を手に取れたことを心からうれしく思う。哀切極まる俳句の数々に深く心を打たれつつ、生活に根ざした俳句を志した俳人の、その卓越した俳句の世界に感じ入った。

 

よろめきて孤絶の蚊帳をつらんとす
凍蝶や妻を愛さざる如病み臥す
夕虹や三年生き得ば神の寵
梅雨來し妻足を拭へるかなしさよ
雪後來し子の柔髪のかなしさよ

 

といった病苦の切なさが痛いほどに伝わってくる句もあり、また

 

不眠者のベッドきしみて枯木星
寒禽を屍の顔の仰ぎゆく
乙女獲し如きかも薔薇を挿して臥す
講堂に春斜陽のみピアノ打つ
蝶の晝病者の讀書顔かくす

 

といった耽美的な句も多い。
生活に根ざした句風を志した人という認識が先んじていたのだが、その立地を確たるものにしながらも、卓越した美意識を持ちつづけた人だったのだろうと感じた。
できれば手元に置いて愛でたい。

私自身も病苦に喘ぐ日々がつづいており、今後も何度となく開く句集になるだろうと思う。

近現代の俳句にはまだまだ疎いのだけれども、今後とも図書館に通ってさまざまな詩歌に触れられればと思っている。

幸いにも私の通っている図書館の書庫にはそれなりの数に上る詩歌集が眠っており、先人の司書たちのたしかな目と仕事が今も残っているのは本当に敬意に値する。

東京の片田舎ではあるけれど、今後とも司書たちの仕事に感謝しつつ、これからも図書館に通って詩歌に親しみ、その中で気に入ったものを手元に迎えたい。