3月に読んだ本

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3月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:2546
ナイス数:583

大好き! アフタヌーンティー (タツミムック)大好き! アフタヌーンティー (タツミムック)感想
ブックオフで衝動買いしたまま積んでいた一冊。美しい写真の数々に癒されます。赤毛のアンに惹かれてお茶会に憧れた方々のメッセージが印象的で、赤毛のアンにまた触れたくなりました。我が家でも使っているバーレイの器も出てきてうれしい限り。それでもやはりちょっとハイグレードな磁器のティーカップも欲しくなってしまいます。とはいえ料理が不得手な私には、チャレンジするのが難しそうなお料理ばかり……。
読了日:03月02日 著者: 


雛人形 (京都書院アーツコレクション―玩具 (119))雛人形 (京都書院アーツコレクション―玩具 (119))感想
ひな祭りに合わせて再読。遠藤周作も通った、出身地長崎の古書店にて購入したもの。さまざまな古典雛がずらりと並ぶ様は壮観で、もっとも古式とされる立雛から寛永雛、元禄雛と様式ごとにじっくり観られるのがうれしい。有職に則った有職雛は現代の雛人形にもっとも近いが、中には江戸時代の装束をまとった享保雛などは唐衣が特徴的で、一見してみてもエキゾチックな雰囲気がただよう。いずれにせよ解説にあるとおり王朝文化へのあこがれが雛人形という形を取って日本の行事となっている。私が雛人形に惹かれてやまない理由もまさにそこにある。
読了日:03月03日 著者:切畑 健


NHKこころの時代~宗教・人生~ 禅の知恵に学ぶ (NHKシリーズ)NHKこころの時代~宗教・人生~ 禅の知恵に学ぶ (NHKシリーズ)感想
再読。特に後半は自分自身の姿勢に対して問いを投げかけられているように感じ、謙虚な気持ちで読み進めた。18歳からメンタルを病んで、思うようにいかないことばかりだけども、十年余経ってみて病を受け入れようとしてきたからこそ、今の穏やかな生活があるのだなと思う。現成受用の精神にはほど遠いかもしれないけれど、今度とも病にあまり逆らわずに生きていきたい。それから本来無一物の思想は、今読書会で読んでいる老子の思想とも近しいと感じる。老子の云う、何も為さないで道を全うすることと、この思想は重なる部分があるのではないか。
読了日:03月04日 著者: 


空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)空がレースにみえるとき (ほるぷ海外秀作絵本)感想
バーバラクーニーが挿絵を手がけた絵本でも特に好きな一冊。幼少期に読んで、どんなにビムロスの夜にあこがれたかわからない。大人になった今では夜の不穏さに参ってしまうことも多いけれど、こんな風にわくわくする素敵な夜を迎えられるといいなと思う。心持ちひとつできっと変わるのだろうな。主人の好きなかわうそが出てくるので、ぜひ主人にも読んでもらいたい。
読了日:03月06日 著者:エリノア・ランダー・ホロウィッツ


賢者のおくりもの賢者のおくりもの感想
季節外れだけれど、ホワイトデーと来月の主人の誕生日を控えているので再読。大人になるにつれて、礼儀を前提とした、形ばかりの品物を贈り合うことの虚しさを感じることが多くなり、本当に賢い贈り物というのは真心と相手への愛情に他ならないということがよくわかる一冊だった。大人にこそ読んでほしい作品。やはり名作は古びない。
読了日:03月06日 著者:オー・ヘンリー


東郷青児 (らんぷの本) (らんぷの本)東郷青児 (らんぷの本) (らんぷの本)感想
再読。東郷青児の絵に惹かれてやまないのは、その詩情と憂愁にある。この本ではさまざまな図版がふんだんにほどこされ、中でも装丁を手がけた本の写真などは貴重なものだ。谷崎と交流があったことに関しては、私の中の好みの点と点が線でつながったような思いがした。またエッセイがきざっぽくて素敵だ。どこまでも美意識の高い、あか抜けたセンスの持ち主だったのだろうということが、この本の文章の端々から伝わってくる。
読了日:03月08日 著者:野崎 泉


驢鳴集―永田耕衣句集 (邑書林句集文庫)驢鳴集―永田耕衣句集 (邑書林句集文庫)感想
繰り返される動物と生と死のモチーフが詠みこまれていて、中でも蝶の句に心惹かれた。「無縁仏の頭へ一寸降り行く揚羽蝶」「天涯やいたるところに揚羽蝶」「凍蝶や天明に物書きはじむ」など。他に「老牡丹今年の花の嗣ぎて散る」「老梅の開花忽ち万華なり」など、植物のエロスとタナトスを謳ったものも心の琴線に触れた。図書館本だが、ぜひ手元に欲しい。
読了日:03月08日 著者:永田 耕衣


江東歳時記・清瀬村(抄)―石田波郷随想集 (講談社文芸文庫)江東歳時記・清瀬村(抄)―石田波郷随想集 (講談社文芸文庫)感想
図書館本。病に臥せりがちな春先に「清瀬村」を読めたことを心からうれしく思う。療養俳句の金字塔と云う『惜命』もぜひ読んでみたい。また旅の様子が描かれた箇所は俳人らしい風情が感じられ、自然の豊かさと息づかいが伝わってきて心をなぐさめられた。「江東歳時記」は下町に生きる生活人や労働者への惜しみない愛情の念が伝わってくる。歳時記というものが日々の生活と不可分であったことを改めて思い致し、日常から乖離した俳句を詠む身として背筋を正された思いがした。
読了日:03月14日 著者:石田 波郷


春は馬車に乗って春は馬車に乗って感想
ぼろぼろに泣きながら読了。病に冒された妻が夫を傍に留め置くということは、夫にとっては檻につながれていることに他ならないのだというところから涙が止まらなくなってしまった。病者の苦しみや悲しみ、切実さがぎゅっと濃縮された、私がもっとも好きな短編小説のひとつだ。詩情あふれる描写がまた悲哀を誘ってやまない。この作品を読んでから、毎春スイートピーを買って飾るようになった。この春も病に臥せる私をこの花がどれだけなぐさめてくれたかわからない。
読了日:03月16日 著者:横光 利一


花園の思想花園の思想感想
こちらも涙とともに再読。病室に花が溢れる描写の美しさが際立つ作品だが、それ以上に切ない夫婦のやりとりに涙せずにはいられない。「お前は何だか淋しそうだ。お前のお母さんを、呼んでやろうか。」「もういい、あなたが傍にいて下されば、あたし誰にも逢いたかない。」というやりとりから涙が止まらなかった。「あたし、あなたに、抱いてもらったのね、もうこれで、あたし、安心だわ。」と云う妻の愛らしさやいじらしさがまたたまらない。弱ってゆく妻の姿を、主人公とともに悲嘆にくれながら見つめ、その哀切の何とも云えない美しさに酔った。
読了日:03月16日 著者:横光 利一


松井冬子展 世界中の子と友達になれる松井冬子展 世界中の子と友達になれる感想
低調なので再読。当時展覧会に足を運んで観た時には圧倒されたものだが、何年経ってみてもその衝撃は色あせない。中でも「この疾患を治癒させるために破壊する」「喪の寄り道」「転換を繋ぎ合わせる」「ただちに穏やかになって眠りに落ち」が好きで、これらは自薦画集「髪の房」にも採録されている。桜の季節になると松井冬子が恋しくなってしまう。桜の匂わせるタナトスの香りを誰よりも克明に感じ取っている人のひとりなのだろうと思わずにはいられない。
読了日:03月16日 著者:横浜美術館


人形姫 (Spirits amuseum)人形姫 (Spirits amuseum)感想
病みつかれて再読。桜の花びらとともに眠る甘美な少女たちに、この世にあるもののすべての美が人形という形を取って顕われたのだということを改めて感じずにはいられない。マリアの心臓、パラボリカ・ビス、ポスター・ハリス・ギャラリー等、かつて通い詰めたアングラ画廊は今や閉廊、休廊の憂き目に遭っている。困難な時代にこそ今一度美というものの真価が問われるのだろう。それは私自身の創作にしても同じことで、それでもなお耽美を掲げつづけたいという想いを強く抱いた。
読了日:03月16日 著者:恋月姫


二十六夜二十六夜感想
賢治の作品の中でも特に好きな小説のひとつで、梟の和尚さんの説法に毎回泣いてしまう。賢治の真摯な信仰の昇華として結実した見事な一作だ。「このようなひどい目におうて、何悪いことをしたむくいじゃと、恨むようなことがあってはならぬ。(…)よくあきらめて、あんまりひとり嘆くでない、あんまり泣けば心も沈み、からだもとかく損ねるじゃ」「なれども他人は恨むものではないぞよ。みな自らがもとなのじゃ。恨みの心は修羅となる。かけても他人は恨むでない。」
読了日:03月16日 著者:宮沢 賢治


銀河鉄道の夜 (宮沢賢治絵童話集 (13))銀河鉄道の夜 (宮沢賢治絵童話集 (13))感想
東逸子の美しい挿絵で描かれる『銀河鉄道の夜』。他にも複数の「銀河鉄道の夜」の収められた本を持っているけれど、その中でもひときわ美しく、この物語をより引き立てる美術書のような一冊だった。毎度のことながら蠍の話に泣いたのだが、燈台守の「ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから」という台詞に涙してしまった。私が幸せにできる人はそう多くはないのかもしれないけれど、それでも近しい大切な人のために自分の生を使いたい。
読了日:03月16日 著者:宮沢 賢治


蛾はどこにでもゐる蛾はどこにでもゐる感想
怪奇幻想文学のような一編。病死した妻を蛾になぞらえ、生ある女を拒む病的な妄念が、静かな筆致で描かれる。あくまでも蛾に妻の姿を重ねるところがこの小説の妙味であって、それが生きた女であっては余計なものが付随してしまうことになる。主人公の魂の清廉さが好ましく、そのあり方はひいては亡くなった妻をも美の象徴として昇華してくれる。かけがえのない伴侶を失う苦しみが生んだ、切実で美しく悲しい小説だと感じた。
読了日:03月19日 著者:横光 利一


詩歌博物誌〈其之壱〉詩歌博物誌〈其之壱〉感想
まさに博覧強記といった感のある随筆集で、古今東西に謳われた風物などが各項目ごとにまとめられ、和歌・漢詩・西洋詩・近代詩歌に至るまでが散りばめられている。斎藤茂吉の写実的な短歌の良さは私にはわからないので、選歌に首をかしげる部分もあったが、「紅梅にみぞれ雪降りてゐたりしが苑のなか丹頂の鶴にも降れる」(前川佐美雄)木苺の燈火を欲りせり階のぼり輝く冬のラムプコレクション(葛原妙子)などが印象に残った。和歌に関してはまだ知識が浅いのでなんとも云えないが、やはり和泉式部の歌に惹かれる。
読了日:03月21日 著者:塚本 邦雄


聲の形(2) (講談社コミックス)聲の形(2) (講談社コミックス)感想
他者表象の暴力性については恩師に叩き込まれたけども、そうした観点から鑑みても生理的に受けつけない。「サバルタン」が語ることができないのと同様、いじめられっ子当事者も、公の場で声を上げることはできない。それを漫画家という声の大きい他者が語ることの暴力性は鑑みるべきだし、そこにあまりに無自覚と見える。許す/許さない、友達になれる/なれないなんて限定的かつ表面的な理解ではいじめは語れないし、語るべきでもない。友達になることがいじめっ子・いじめられっ子双方にとって救済だと思っているのなら大きな間違いだ。
読了日:03月23日 著者:大今 良時


よつばと!(2) (電撃コミックス)よつばと!(2) (電撃コミックス)感想
1巻のときとは違ってだいぶノリがわかってきました。ケーキを買ってみんなでいただくお話が本当によかったです。あさぎさんの魅惑の水着姿のショットもうれしいかぎり。元気いっぱいのよつばが今後とも伸びやかに、健やかに過ごしてくれることを願ってやみません。
読了日:03月23日 著者:あずま きよひこ


よつばと! 3 (電撃コミックス)よつばと! 3 (電撃コミックス)感想
昨夜は精神的に追い詰められて、ぼんやりメメントモリモードだったので、それだけに何気ない日常の幸せが描かれたこの漫画で泣いてしまう。大切なことがぎゅっと詰まった宝物のような巻だった。花キューピッドのよつばがかわいくてたまらない。ゆるキャンといい、けもフレといい、日常モノに弱いのかもしれないので、他の日常系漫画も読んでみたくなった。
読了日:03月23日 著者:あずま きよひこ


トカトントントカトントン感想
急に何もかもがどうでも良くなってしまう。執着していたもののことごとくも、熱が冷めてそれきりになってしまう。トカトントンという音が聞こえたら、もう二度とは元に戻れない。死ぬかもしれないと思っていた夜を越えて、朝が来て、医師から心の一番大事な場所に土足で踏み入れられて、その怒りすらもぼんやりと記憶に靄がかかって、そうして忘れてしまうことでなんとか心は永らえようとする。トカトントンは私の耳にも聞こえていて、この小説の主人公も、そして私自身も、もうこの上もなく消耗しているから、きっとその音はひとつの救いなんだよ。
読了日:03月27日 著者:太宰 治


NHKラジオ深夜便 絶望名言NHKラジオ深夜便 絶望名言感想
冒頭から涙が止まらず、カフカドストエフスキーの絶望的な言葉の数々に、ようやく心に巣食った闇を掬いとってもらえた気がしました。人間不信状態はまだつづきそうですが、それでも文学が友でいてくれることは、かけがえのない支えになるのだということを改めて感じることができました。『カラマーゾフの兄弟』は読破したけども、『罪と罰』もぜひ読んでみたいです。絶望の先に光が見えるのかどうか、今はまだ分かりませんが、たとえすぐには立ち上がれなくても、なんとか生きていようと思います。
読了日:03月27日 著者:頭木弘樹,NHK<ラジオ深夜便>制作班

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