2021.03.21 図書館本を読み切りました

図書館から借りてきた本を読み終えました。

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再読。東郷青児の絵に惹かれてやまないのは、その詩情と憂愁にある。この本ではさまざまな図版がふんだんにほどこされ、中でも装丁を手がけた本の写真などは貴重なものだ。谷崎と交流があったことに関しては、私の中の好みの点と点が線でつながったような思いがした。またエッセイがきざっぽくて素敵だ。どこまでも美意識の高い、あか抜けたセンスの持ち主だったのだろうということが、この本の文章の端々から伝わってくる。

 

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繰り返される動物と生と死のモチーフが詠みこまれていて、中でも蝶の句に心惹かれた。「無縁仏の頭へ一寸降り行く揚羽蝶」「天涯やいたるところに揚羽蝶」「凍蝶や天明に物書きはじむ」など。他に「老牡丹今年の花の嗣ぎて散る」「老梅の開花忽ち万華なり」など、植物のエロスとタナトスを謳ったものも心の琴線に触れた。図書館本だが、ぜひ手元に欲しい。

 

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図書館本。病に臥せりがちな春先に「清瀬村」を読めたことを心からうれしく思う。療養俳句の金字塔と云う『惜命』もぜひ読んでみたい。また旅の様子が描かれた箇所は俳人らしい風情が感じられ、自然の豊かさと息づかいが伝わってきて心をなぐさめられた。「江東歳時記」は下町に生きる生活人や労働者への惜しみない愛情の念が伝わってくる。歳時記というものが日々の生活と不可分であったことを改めて思い致し、日常から乖離した俳句を詠む身として背筋を正された思いがした。 

 

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まさに博覧強記といった感のある随筆集で、古今東西に謳われた風物などが各項目ごとにまとめられ、和歌・漢詩・西洋詩・近代詩歌に至るまでが散りばめられている。斎藤茂吉の写実的な短歌の良さは私にはわからないので、選歌に首をかしげる部分もあったが、「紅梅にみぞれ雪降りてゐたりしが苑のなか丹頂の鶴にも降れる」(前川佐美雄)木苺の燈火を欲りせり階のぼり輝く冬のラムプコレクション(葛原妙子)などが印象に残った。和歌に関してはまだ知識が浅いのでなんとも云えないが、やはり和泉式部の歌に惹かれる。

 

いずれも良書揃いで、選書も自分の腕ひとつにかかっているので、外れがなくてひとまずほっとしています。

それにしても図書館の魅力のひとつは思いもがけない本との出会いがあるところだと改めて感じました。

石田波郷の随想集は図書館のエッセイコーナーを見ていて偶然であったもので、塚本邦雄の『詩歌博物誌』もたまたま詩歌コーナーにあったものです。

おそらくこの二冊は普通に本を買っていたのではなかなか出会えなかったでしょう。

こうして本との偶然の出会いをさらに楽しむべく、今後とも図書館に通う習慣を身につけていきたいところです。

また永田耕衣『驢鳴集』は本を購入するに至りました。

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これからも図書館の全集本を活用しつつ、新たな詩歌との出会いを大切にしてきたいです。

また図書館には意外と詩歌集が眠っていることも明らかになったので、そちらも随時借りていきたいと思っています。

今狙っているのは鷲巣繁男ですが、探せばまだまだたくさんの詩歌集が出てくるかもしれません。

さっそく以下の二冊を図書館で予約しました。 

閑雅空間―歌集 (1977年)
 

こんなお宝が眠っているなんてありがたい限りですね。

塚本邦雄『閑雅空間』は『詩歌博物誌』でも引用されていた一冊で、石田波郷の『惜命』はぜひとも読まねばと思っていたので、全句集が架蔵されていてうれしいです。

こうしてさまざまに詩歌に触れながら、実作にも少しでも生かしていければと思います。