タブッキ『供述によるとペレイラは…』
川野芽生『Lilith』
『皆川博子作品精華 伝奇時代小説編』
『朝吹亮二詩集』
高柳誠『鉱石譜』
松井冬子『髪の房』
関悦史『六十億本の回転する曲がった棒』
宇佐美まこと『るんびにの子供』
今年は本当に本を読めなくて、詩歌が中心になりました。
上半期はまったく本が読めずに、聖書の詩篇を読んだり、法華経を読んだりしていましたが、下半期になって少しずつエンジンがかかってきたと思ったのもつかの間のこと、ホラーを読まねばという気持ちが枷になって、小説から遠ざかってしまいました。
昨年はあまり読めていなかったこともあって、今年はかねてから気になっていて積んでいた朝吹亮二、高柳誠を読めたのは収穫だったのかなと感じています。
来年は時里二郎『名井島』や、 朝吹亮二『密室論』などを読みたいです。
また俳句では関悦二『六十億本の回転する曲がった棒』、短歌では川野芽生『Lilith』を読んで心から惹かれました。
特に『Lilith』はカトリックへの改宗を考えている今、改めて読み返したい一冊です。
トップに置いたタブッキの『供述によるとペレイラは…』は、タブッキ作品の中でもメッセージ性の強い作品で、読みながらドキドキしたのですが、すばらしいエンディングだったと感じています。
今年読んだ小説の中では間違いなくベストです。
また皆川博子作品の魅力と、自分の書きたいものとの親和性の高さを見出せたことはひとつの救いになりました。
特に『皆川博子作品精華 伝奇時代小説編』に収められている『朱鱗の家』は、これから書いていきたいものの明確なイメージを掴むのに役立ってくれたので、来年はさらに皆川博子作品に触れていきたいです。
念願の随筆集も秋頃に出てとても気になっています。
さらに宇佐見まこと『るんびにの子供』は横溝正史を除いてほぼ初めてホラーを読む私にとっては粒ぞろいと感じた短編集でした。
来年こそはホラーと和解したいと思っています。
積んでいる本もたくさんあるので、年末年始に読めるようにしたいです。
このうち、シャーリィ・ジャクスン『なんでもない一日』と横溝正史『鬼火・蔵の中』は読み止しなのですが、なかなか読み進められずにいます。
それでもホラーのじっとりと暗い雰囲気は年末の終末感めいた空気にぴったり合うので、少しずつでも読んでいきたいです。