ヴァニラ画廊に注文していた二冊の画集が届いた。
この詳細については以前メインブログに書いたので、そちらを参照していただきたい。
ひとまずコロナ禍で苦境に立たされているであろう画廊を応援したいという想いがあって、かねてより欲しかったものと、個展に伺いたかったのだけれど、都心まで足を運ぶ気力がないのでお迎えした画集をこのたび手にしたのだった。
いずれもサイン入りで、なかなか美術館や画廊に通えない中でも、こうして作品を手にできることが今はうれしい。
ちなみにふたつともこちらで購入することができる。
高橋美貴「魑魅の栖」
不穏な雰囲気に包まれながらも安堵を覚えるのはなぜだろう。さながらダークアンビエントを聴いているかのように、不安なノイズに押し包まれる安心感を感じる。胎児のような虫のようなBabiesたちの鼓動、海を彷徨う人魂の行方、浄土なき地獄へ落ちてゆくのかと思しき観音。さまざまな呼吸を感じる一冊だった。
Twitterを介して個展を知り、足を運びたいと思ったのだが、まだまだ体調に不安があるさなかで都心に行く気になれず、こうして画集を手元に迎えることにした。
最近はホラー小説に舵を切ったということもあって、こうしたビジュアル的なホラーが手元にあると、ホラーを書くというモチベーションも高まる気がするし、やはり勇気づけられる。
ビジュアル資料は作品の方向性を決めるのにも役立ちそうだし、創作のインスピレーションや雰囲気作りの一助となればと願っている。
またいずれはルシール・アザリロヴィック監督作品の「エヴォリューション」も手元に迎えたいと思いつつ、未だに果たせていない。
映画自体は2015年の公開当時に観に行って、パンフレットも購入した。
またそろそろ見返してもいいかもしれない。
Eimi's anARTomy 102 (TH ART SERIES)
Epicure Gournetに衝撃を受けてから、Twitterをフォローさせていただいていて、流れてくる作品の数々に魅せられてこうして作品集を手に取った。現代的に解釈された名画の数々と、松井冬子の九相図を彷彿とさせる解剖学的なコラージュは、私の好みを直球で貫いてくる。今後とも目が離せないアーティストのひとりだ。
スズキエイミさんの作品はたびたび自分の作品(主に短歌)のインスピレーションを得るために活用させていただいてきた。
特にEpicure Gournetからは強いインパクトを受けて、オマージュ短歌を二編作った。
甘美なる絵画の貴人打ち笑みて世を満たす海の人魚招き
大雨 降る地の果てまでも覆ひたる妹の衣の桃色青色
ここのところ短歌を詠めていないが、また機会があればゆっくりと詠みたい。
ちなみにこの歌集『螢火抄』は詩歌を愛好するTwitterのフォロワーさんからも評価をいただいて、大変光栄なことと受け止めている。
またいずれ短歌の公募に応募したいという気持ちもあるが、それも追々考えることであって、まずは小説をしっかり書いて仕上げていくことを第一の目標に掲げたい。