2020.10.24 引き続きヨムヨム

商業小説も読まねばと思いつつ、コンテストに参加中なのでヨムヨムがはかどります。

今回ピックアップするのは以下の三作。

いずれもコンテスト参加作品ではありませんが、特に惹かれたのでレビューを書かせていただきました。

 

kakuyomu.jp

これぞ純文学×和ホラー
★★★ Excellent!!! 雨伽詩音
まるで山崎俊夫の小説のように翳りを帯びた少年たちの愛憎が描かれていて、一気に引きこまれました。
伝奇ホラーとしても、純文学としても秀逸で、整った文章と陰鬱で淫靡な雰囲気がまさにツボです。叶うことなら連作短編として、この時代設定の小説を他にも拝読したくなります。
カクヨムの書き手の裾野の広さを感じられる、魅力に満ちた一作でした。 

 

Twitterのフォロワーさんがきっかけで知ることとなった同人作家さんの作品です。

これぞ純文学と云うべき文体のたしかさと、描かれる怪異譚の魅力に惹かれました。

おそらく明治あたりの時代を描いたものだと思いますが、この頃を舞台に外国人を描くと、「異人」という言葉がしっくりきますね。

「異人」にまつわる民俗学的な伝承は数多いですが、それらを彷彿とさせる作品でした。

怪異の民俗学〈7〉異人・生贄
 

 遥か昔に読んだので、内容はおぼろげですが、こちらの本も大変面白かった記憶があります。

またいずれ民俗学もしっかり勉強したいです。

 

kakuyomu.jp

魂の行きつく先を求めて
★★★ Excellent!!! 雨伽詩音
著者にとって宗教と文学というものが、いかに融合を果たすべきかというのがひとつのテーマなのだろうなと感じましたが、それを差し置いても、じんわりと心が温かくなるような作品でした。
祖母のいじらしい生き方が愛おしくなりますし、主人公の真摯ながらもちょっと照れたような語り口も効いていて大変良かったです。
魂の行きつく先は私にはわかりませんが、それでも祈りのこもった小説だと感じました。
きっと主人公にはおぼろげながらもその在処がわかったのだろうと思います。

物語というよりは思想性が前面に出た作品だと感じました。

それでも祖母のバックグラウンドを知るにつけ、彼女への愛おしさがじんわりとこみ上げてくるような小説でした。

宗教と文学はいかに融合を果たすべきかというテーマに関しては、カラマーゾフの兄弟に勝るものはないと思いますが、それを日本を舞台に練り上げていこうとする試行錯誤の痕跡が見られて、ますます応援したくなりました。 

 

 

kakuyomu.jp

端正なリズムで謳い上げられる叙事詩
★★★ Excellent!!!雨伽詩音
近代詩を思わせるような歌いぶりと、壮大なテーマが組み合わさって、さながらJ・A・シーザーの歌詞のような趣があります。
遥か彼方から人類を俯瞰するような詩の数々は、知に満ち勇に満ち、強く熱く訴えかけてくるようです。 

 若々しい情熱に燃えた詩だと感じました。

ただ、その情熱に身を任せながらも、詩のリズムには徹底した計算の痕跡を感じます。

そのふたつの要素がうまく溶け合って、さながら近代詩を思わせる詩風が生まれたのだろうなと思います。

ちなみにJ・A・シーザー少女革命ウテナのアルバムを一枚聴いたきりなので、そこまでくわしくないのですが、もっと聴いてみたくなりました。