広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

「No Time To Die」第三稿仕上がりました

自殺報道を受けてから、一気にメンタルがガタガタっと崩れてしまい、なんとか月末までに第三稿を仕上げようと励んできて良かったなと思います。

 だいたい13〜16時、22〜0時という夏場の稼働時間に合わせて、ほぼ毎日、一日千字を目標に小説を書いてきました。

この稼働時間の中で、はてなブログアカウントふたつ分の原稿や、ブンゲイファイトクラブ2の原稿、フォロワーさんとのコラボ原稿なども同時並行で進めてきました。

秋になり、日照時間の変化に伴って、体調に波が出てきて日中の稼働時間に変化が起こりつつあるので、もう少し様子を見て、今後の作業時間を設けようと思います。

 

「No Time To Die」の詳しい進捗状況のメモはこちらにまとめています。

shinchoku.net

先日から「進捗どうですか」を5件いただきまして、初めてのことだったので大変励みになりました。

またフォロワーさんにウォッチリストに登録していただけたのもうれしかったです。

見守ってくださっている方々のためにも、何とか最終稿まで持っていきたいです。

 

現在のところ、全体の字数は12986字。

朝吹真理子大江健三郎に「一度は捨てた文章も保存しておくといい」と云われたとエッセイに書いていて、真似して保存したところ、最終的に捨てた文章が8764字になりました。*1

合わせて一ヶ月でだいたい2万字の小説を書いたということになります。

これは私にしては最速ペースだったので、やはり「進捗は裏切らない」というTwitterのフォロワーさんのお言葉が胸にしみわたります。

とにかく毎日悪夢を観るわ、ここ三ヶ月というものほぼ毎日体調が悪いわ、友人は(こちらから疎遠にしたとはいえ)ふたりも失ってしまうわで、わりと危機的な状況の中での執筆だったので、それでも判で押したように作業を進めることを説いた村上春樹は本当に偉大だなと感じます。*2

 この精神に則って、やる気が出るときも、そうでないときも、できるだけ最低千字は書こうと決めました。

千字ならば体調の如何によってもあまり左右されずに済みますし、無理なくつづけられるなという実感を得ていたからです。

 

結果的にこれが功を奏して、あまり無理なく書き進めることができました。

「もしかしたら間に合わないかも」という不安に駆られることもありましたが、「あと5000字なら5日あれば終わる」と目処をつけやすかったのも、大きな支えとなりました。

体調が不安定な中でも、状況が困難な中でも書き続けられるメソッドを体得できたというのが、今回の一番の収穫だったなと思います。

これから少しばかり寝かせて第四稿に入りますが、あとは村上春樹の云うところのトンカチ仕事になるので、もうちょっと作品との距離を取った上で付き合えるかなと思っています。

書いている最中はどうしても苦しくてしょうがなかった部分もあったので、「all the good girls go to hell」のように事務作業的に推敲を進めるのが今から楽しみでもあります。

evie-11.hatenablog.com

推敲という作業はこれまではどちらかというとあまり得意ではなかったのですが、人様の原稿を推敲する作業を何度かこなしていくうちに、「これも創作的な作業なのだ」という意識が芽生えてきて、ようやく楽しいと思えるようになりました。

今ではiPadで推敲作業ができるようになったので、ペーパーレスになり、作業効率もぐっと上がりました。これはiPad導入を勧めてくれた、ギークな主人さまさまです。

寝かせている間、ちょっと休憩を挟んでから、テキレボアンソロにも取りかからねばなとぼーっと考えています。

体調がすこぶる悪い状態なので、すぐにというわけにはいかないかもしれませんが、なんとかがんばりたいです。

*1: 

抽斗のなかの海 (単行本)

抽斗のなかの海 (単行本)

 

 対談のあとの雑談のときに、大江健三郎さんからずっと書けずに困っていた長編小説のアドバイスをもらったことがある。メモ書きなので口吻が異なるかもしれないのだけれど「とにかくつじつまをあわせなくても書き進める。推敲も大事だが、消した部分ももったいないから捨てずにとっておくこと」と大江さんは仰った。――朝吹真理子『抽斗のなかの海』中央公論社、2019年、p136

*2: 

職業としての小説家 (Switch library)

職業としての小説家 (Switch library)

  • 作者:村上春樹
  • 発売日: 2015/09/10
  • メディア: ハードカバー
 

長編小説を書く場合、一日に四百字詰原稿用紙にして、十枚見当で原稿を書いていくことをルールとしています。(…)もっと書きたくても十枚くらいでやめておくし、今日は今ひとつ乗らないなと思っても、なんとかがんばって十枚は書きます。なぜなら長い仕事をするときには、規則性が大切な意味を持ってくるからです。書けるときは勢いでたくさん書いちゃう、書けないときは休むというのでは、規則性は生まれません。だからタイム・カードを押すみたいに、一日ほぼきっかり十枚書きます。――村上春樹『職業としての小説家』スイッチ・パブリッシング、2015年、p141