ホラーを書くということ

先日公開した「all the good girls go to hell」にとある方からコメントをいただきました。

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曰く、ホラー小説をもっと読めばいいのではないかということ。

私自身はホラーというジャンルに強い拒否感を抱いていて、某同人イベントアンソロジーで「瑠璃神話」をホラーというジャンルに勝手に放り込まれたことにも強い違和感を感じていたのです。

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人から見ればホラーかもしれないけれど、私自身はホラーだと思って書いているわけではないし、そのギャップが悩ましいなと感じていました。

ホラーというと、どうしても人を怖がらせたり、気味悪がらせたりして、あまりいい印象を抱いていませんでしたし、露悪的な部分が強くて、どちらかというと敬遠したいと考えていたのです。

「all the good girls go to hell」のことも、夫と話して、あくまでも時代小説だと伝えたのですが、「でも時代小説ってもっとライトな人情ものを云うんだよ」とのこと。ぐうの音も出ませんでした。

私の書いているものは、異世界ファンタジーでも時代小説でもなく、ホラーだったのか、と。それでも釈然としない思いもありました。

 

でも、ふとFate間桐桜ちゃんのことを思い出して、彼女は過酷な体験を和らげるためにホラーに親しんでいるとプロフィールに書かれていたことに気づきました。

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Fateは履修していないのですが、夫が桜ちゃんが好きなので、気になってプロフィールを確認したことがあったのです。

さらに他の場面でもネットでホラーに親しむことで、自分のつらい体験を昇華できたと感じている人の記事を読んだことがあって、そういう治癒としての役割をホラーは担っているのかもしれないと思い直しました。

 

考えてみれば、私もホラーは苦手だと云いつつ、これまでに夫とともに横溝正史・市川昆監督の「犬神家の一族」「悪魔の手鞠唄」を鑑賞してきましたし、横溝正史は他にも『蔵の中・鬼火』『夜歩く』などを夫に勧められて読んできました。

個人的にも坂東眞砂子狗神』『死国』といった伝奇ホラーを読みましたし、宮部みゆき『あやし』も、今まさに書こうとしている時代ホラー小説で、愛好するルシール・アザリロヴィック監督の「エヴォリューション」も云わばホラーです。

蔵の中・鬼火 (角川文庫)

蔵の中・鬼火 (角川文庫)

 
夜歩く (角川文庫)

夜歩く (角川文庫)

  • 作者:横溝 正史
  • 発売日: 1973/03/01
  • メディア: 文庫
 
狗神 (角川文庫)

狗神 (角川文庫)

 
死国 (角川文庫)

死国 (角川文庫)

 
あやし (角川文庫)

あやし (角川文庫)

 

 

 

二次元に目を向けてみれば歴代最推しの戦国BASARA3お市もホラー要員として出てきます。  ちなみにCVは能登麻美子

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また、絵画でいえば私の敬愛する松井冬子は、本人がどこまで意図しているかどうかはわかりませんが、ホラー要素を多分に含んでいますし、時折見ているニコラス・ブルーノの生み出す写真もホラーと位置づけていいのかもしれません。

www.editions-treville.net

www.editions-treville.net

https://www.instagram.com/nicolasbruno/?hl=ja

 

こうして振り返ってみると、私の嗜好の端々にはホラー的な要素があるのだなと感じます。

怖いものやグロテスクなものはあまり得意ではないので、積極的に見たいとは思わないのですが、人間の情念やメメントモリ的な要素には興味があるのかもしれません。

特に松井冬子のテーマである「痛み」と美へ昇華していく絵画は、私が小説でやりたいことと近いことでもあるので、ホラーというジャンルにそこまで忌避感を感じなくても良いのではないかという結論に至りました。

 

そこで今後はアドバイスに則って、ホラー作品を積極的に読んだり観たりしていこうかなと思います。

 ひとまず読みたいのはひぐらしのなく頃に

途中まで漫喫で読んだ記憶があるのですが、ほんの中盤までだったので、ぜひ最後まで読みたいところ。

それからやはり横溝正史はできれば完走する勢いで読みたいのと、皆川博子の時代小説精華も積んでいるので崩したいですね。 

 

 あとはやはり京極堂シリーズは読んでおくべきかなと……。

姑獲鳥の夏』は学生時代に愛読した小松和彦『憑霊信仰論』のほぼ丸パクリで興ざめしてしまったので、そこからなかなか読めていないのですが、『魍魎の匣』の話はたびたびネットでも耳にするので読んでみたいなと。 

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

  • 作者:京極 夏彦
  • 発売日: 1999/09/08
  • メディア: 文庫
 

いっそ小松和彦等々民俗学をふたたび勉強するという手もありますが。

やはりネタ元を充実させることも大事ですしね。

いずれにせよ、これでエンジンを切り替えて前進していければと思います。