広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

ふたたび図書館へ

図書館を使わなくなって久しい。

一時期はしょっちゅう通っていたのだけれど、やはり本は買うべきだという思いに至って、同棲を経て結婚して数ヶ月、本を買いつづけてきた。

給付金の大半も本代に充ててしまったし、本を手に入れることのすばらしさを噛みしめている。

しかし、いよいよ部屋に置ける本が限界に近づいてきた。

これまでは読まないと判断した本は、たとえ積読本であっても躊躇なく処分してきたのだけれど、どうにもその判断力が鈍ってしまうようになった。

今手放すと「やはり処分しなければ良かった」と思うのではないかというおののきに包まれて、本を買取に出すことをためらってしまう。

そうすると本を売るわけにもいかず、かといって新たに買わないわけにもいかずにどんどん本が増えてしまって、部屋のキャパオーバーを迎えてしまった。

 

これまでのように「これは読まないな」と判断した本は積極的に処分していく、循環型で通気性のいい状態を保っておかないと、これ以上本を増やすのは得策ではあるまい。

その判断にはある種の直感(世に云うところのときめきのようなもの)が必要で、ここで少しでもためらってしまうと、どうしても本を処分するわけにはいかなくなる。

そんなものは当たり前だ、蔵書は売るものではないと愛書家は語るかもしれないが、私は賃貸物件に住んでいるので、どうしてもモノに縛られすぎない身軽さというものが必要になってくるのだ。

夫は本は売らないものと決めて、それでもなお本を買いつづけているが、私は生来積読本をたくさん抱えていることにストレスを感じてしまう人間なので、同じ家に住んでいる読書家同士であってもタイプは異なる。

モンスターハンターで云えば、夫のように大型の武器を振るうランス使いではなく、私は双剣使いだし、機動性と小回りの効く心地よさはどうしても重視したい。

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そこで思い出したのが、同棲をはじめる前に東京の仮の住まいで実家暮らしをした時期のことだ。

当時のことはエッセイにも書き記している。

kakuyomu.jp

この時は本を増やすということに大変狭量な意見を持つ母と暮らしていたので、できるだけ本を増やさなくて済むように図書館を利用した。

本を自由に買えない肩の狭さたるや、読書家にとってはなかなかつらいものがあったが、徒歩五分圏内に図書館が建っていたという恵まれた環境もあって、夏の暑い盛りにも、真冬の寒い日にも図書館に通った。

図書館で過ごした日々の思い出は、今でもかけがえのないものとして私の胸に刻まれている。

 

自治体の財布事情を反映しているせいか、文庫本がむやみやたらと多いという理由で、今住んでいる地域にある図書館が私はどうしても好きになれないのだけれど、それでもかくなる上は図書館と良き付き合いをしていくべきなのではないかという思いに駆られている。

徒歩15分圏内と、いささか残暑が厳しいこの時期に通うのは大変なのだが、コロナ禍で家にいる時間が増えて、持病のうつも悪化したことだし、外に出る機会を作るという点でも図書館は理にかなっている。

振り返ってみれば、幼少期から図書館によく通って本を読んできた。

母は家に本を持つことを快く思わない代わりに、週末になると父とともに車を出して図書館に連れて行ってくれた。

そうして出会った本の数々が今の私を形作っていることを考えると、今一度図書館に回帰してみるというのは悪くないのかもしれない。

 

昨日は久しぶりにウォン・カーウァイの「花様年華」を観て、大人の恋愛小説を読みたくなり、図書館に以下の二冊の本を予約することにした。

花様年華 (字幕版)

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ホテルローヤル (集英社文庫)

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夜想曲集 (ハヤカワepi文庫)
 

 

桜木紫乃ホテルローヤル』は夫が評価していたので、手に取ってみることにした。

夫はしばらく桜木紫乃にハマっていた時期があるので、文学仲間でもある彼が好むならきっと楽しめるはずだ。

ひとまずこれまで通り二冊のみにしたのは、これ以上増やしてしまうと、本が積んであって期限内に読み切らねばならないという焦燥感に駆られてしまうので、これぐらいの冊数がちょうどいいのだ。 

 幼少期は貸出可能な十冊ぎりぎりまで借りて、ほぼ二、三日で読み切っていたが、さすがにあの頃のようにほぼ一日中読書をしていられるだけの気力体力はないので、身の丈に合う冊数にしておくことにした。

 

白状してしまうと、つい最近も図書館を利用して、その時には五冊ほど借りたのだが、古い新書ということもあり、本の内容が肌に合わなくて三冊ほどはすぐに読むのをやめて、結局現代詩手帖を拾い読みし、村上春樹村上さんのところ』を完読するにとどまった。

現代詩手帖 2020年 3月号[雑誌]

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村上さんのところ

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  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2015/07/24
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 貸出冊数ぎりぎりまで借りるのではなく、二冊程度の「本当に読みたい本」を選ぶということが今の私には合っているのだろうと感じる。

速読や遅読、乱読など、本にも様々な読み方があるが、そういう小回りの効く読み方は、私自身の特性に合致していると云ってもいいのかもしれない。