短歌を投稿しました
短歌研究のうたう☆クラブに投稿しました。
お題がないと短歌を詠めないタイプの人間なので、俳句歳時記をぱらぱらめくって、「薔薇」を選びました。
以前佳作をいただいた短歌はわりと素直な詠みぶりだったので、最近のように脳筋耽美主義な短歌がどこまで通用するかは分からないのですが、塚本邦雄、葛原妙子の系譜もあるし、やるだけやってみようという気持ちです。
塚本邦雄も葛原妙子もそこまで量をこなして読めていないので、これからさらに読んでいかねばならないのですが。
ちなみに過去作はこちらでお読みいただけます。
先日友人と話をして、アラサーになって作風は今更変えられないから、自分の作風で勝負できるところを探すしかないという話をしました。
その「勝負できるところ」を私は掴みかねていて、小説を投稿しようと決心したり、同人でのんびりやろうと諦めたりを繰り返していていたのがここ数日で、それでもいつかは決心をして行動に移さないと何も変わらないよなと思いまして。
昨年は俳句と短歌、エッセイと小説を投稿しました。
いずれもほぼ一度きりだったので、まだなんとも云えないですが、短歌では佳作を、小説では最終選考まで残ることができました。
まだまだこれから投稿を重ねて精進していきたいです。
小説はすぐにというわけにはいきませんが、短歌や俳句なら普段からそれなりの量を詠んでいて、作歴もちょっとずつ長くなってきたので、そろそろ投稿してもいいのかなと。
そういうわけで短歌研究と短歌、俳句をそれぞれ予約しました。
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まだまだ至らない部分もありますが、少しでも勉強を重ねていければいいなと思います。
また先日せっかくフォロワーの磯崎愛さんから「牡丹」というお題で俳句を詠ませていただいたこともあり、投稿した短歌を詠んでいて、短歌でも同じお題で詠んでみたいという気持ちが湧いてきました。
どちらかというと私は七七が蛇足な気がしていて、俳句の方が好みなのですが、短歌には短歌の良さもあって、それは世界観を表現しやすいということに尽きると思います。
七七があることでより世界が具象性を持つというか。
たとえば上の過去作の中からお気に入りを選ぶならば、
冥界の涯なる氷河堕天使の眠る氷塊数多溶けをり
という拙歌があるのですが、こういう表現はなかなか俳句ではしづらいです。
まだまだ私の腕がつたないということもあるのでしょうが、より対象を広角レンズで観られるのが短歌なのではないかなと感じます。
俳句は接写するというのが基本になるので、私のように広角で物事を切り取るのが好きなタイプだと、どうしても作品が似通って来てしまいます。
人様の作品を読んでいると、短歌も接写しようと思えばいくらでも接写できる形式を持っていると感じますが、私はあくまでも広角で撮るのが好きです。
それから短歌は連作の形式を取りやすいのも利点ですね。
最近はうさうららさん主宰の短歌ネプリ「短歌ハッシュ」に参加した拙歌を元に、連作を詠むことが多いです。
金糸雀歌声奪ひし少年のファルセット愛でし
溥儀
少年や金の鎖に囚はれり纏足の指に蝶々の
刺青
少年や金魚となりし縁日に掬ひ囲はれ城傾けり
少年や金環日食仰ぎたり去勢せし
臣 足に額づき
金糸にて刺繍せる
衣 纏ひたる聖少年の花園に鳥
このように円環型の連作を組むこともできますし、ひとつの歌から別の歌が派生して生まれてくるというのは、小説を書く人間としても面白いなぁと感じます。
短歌の魅力は尽きません。
俳句の方ももっとがんばりたいなと思っていて、いずれこの句集の中から選んだものを、同人誌の句集として頒布したいなと思っています。
一年がかりで詠むつもりなので、来年あたりに形になればと考えています。
中でも気に入っているのは一番はじめの「暗黒神話」です。
襖絵に閉ざされ臥せる妹の
唇
月神の殺めし子ら満つ冬館
兎狩酒宴に酔へる美青年
悪食の美徳賛美し牡蠣剥く夜
凍死せる兄の指なり
紫水晶
こういうダークで暗黒メルヘンな作風が好きなので、本当はもっともっと澁澤とか読まなきゃならないんですが、積みっぱなしのものも多いです。
昨年は『バビロンの架空園』を読んで、シバの女王の庭園に惹かれたのをなんとなく覚えています。
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「澁澤はとりとめのない眉唾話をどんどん繰り広げるところに面白さがあるな」と感じられるようになったのは、大学を出てからのことで、それまではガチガチの史学学徒だったので、眉唾話がどうにも受けつけなかったのでした。根が真面目すぎるのでしょうね。
それから『フローラ逍遥』の鉱物的作家と植物的作家がいるという話も興味深く読んだ気がします。
私は完全に鉱物的物書きに属するのかなと思っています。
そういう本からもたらされる知識も糧になりますが、私の一番の糧はビジュアルにあるなと痛感しているのがここ最近のことで、先日はスズキエイミさんのことを書きましたが、西條冴子さんのお人形や、松井冬子さんの日本画など、現代の耽美派な絵画や美術には相当に影響を受けています。
彼女たちの作品集もいずれお迎えしたいと思っているところです。