なんとなく小説を書く文体で詩を書きたくなって、本能の赴くままに書いた作品なのですが、久しぶりに3noteをいただいてうれしかったです。
タイトルは『異類婚姻譚』があるなら同じく神話学用語の「異界訪問譚」があってもいいのではないかと思ってつけました。
書いた当時は『唐詩選』ブームが来ていて、李嶠の「奉和幸韋嗣立山莊應制」のうち
喬木千齢外 喬木 千齢の外
懸泉百丈餘 懸泉 百丈の余
崖深經錬藥 崖は深くして経(かつ)て薬を錬(ね)り
穴古舊藏書 穴は古りて旧(も)と書を蔵したり
から着想を得たのと、旅の詩が書きたいなぁと思って書いたのでした。
ちなみにこの箇所は
周の穆王(ぼくおう)が大酉(たいゆう)山・小酉山の中に珍らしい書物を秘蔵した伝説をさしていったものである。――高木正一『唐詩選上 新訂中国古典選14』、朝日新聞社、1965、p95。
詩を書きたいのでお題をください。
— 嘉村詩穂(雨伽詩音) (@poesy_rain) March 29, 2019
こちらのお題を募集した投票で、リプで「雨音」というお題を追加でいただいたこともあり、また大阪旅行の最中に体調を崩してしまって、ひとりホテルで臥せっていたので、心の隙間を埋めるべく書いたのでした。
今となってはいい思い出です。
2日目は彼念願の司馬遼太郎記念館へ。蔵書の数々に夢中になってしまいましたが、国史大辞典や大漢和、東洋文庫がずらりと並んだ様は圧巻でした。もっと勉強頑張りなさいと背中を押していただいた気がします。カフェでカフェオレと焼き菓子をいただいたのですが本当に美味しくて。お庭も素敵でした。 pic.twitter.com/5ZXAanApAy
— 嘉村詩穂(雨伽詩音) (@poesy_rain) May 6, 2019
胡蝶姫(お題:紫陽花)
こちらはまたもやお題を募集して書いたのでした。
詩を書きたいのでお題をください。
— 嘉村詩穂(雨伽詩音) (@poesy_rain) May 22, 2019
「日輪の巫女」に関しては、うさうららさん主宰の短歌アンソロジー『ぽたん』に寄稿させていただいた「日輪」という天照大神に恋をする巫女の連作短歌三首をアレンジして詩に仕立てました。
#静岡文学マルシェ #静マル 卯楽々堂(委託ー22) カタログに短歌アンソロ『ぽたん』を登録しました。先日出たばかりの新刊です! 詩歌・手製本のお好きな方、ぜひ手に取ってみてくださいね。
— usaurara 卯楽々堂@関西コミティア55委託 (@usaurara) May 11, 2019
【6/16(日) 第三回静岡文学マルシェ】「ぽたん」 ブース→ 委託-22/卯楽々堂https://t.co/ygduFoQxQs
#ペーパーウェル02 『ぽたん』抜粋モノクロバージョン、だいたい準備完了。少し縮小してA3を2枚、40円に収めました。 6月1日配信予定です。 pic.twitter.com/jNA5XLnLEA
— usaurara 卯楽々堂@関西コミティア55委託 (@usaurara) May 20, 2019
ちなみに『ぽたん』は静岡文学マルシェで頒布される他、うさうららさん主宰のネプリ同時配信企画ペーパーウェル02でも配信される予定だそうです。
この企画には私も参加する予定です。珍しく現代風の詩になります。
また追って告知いたしますのでお待ちください。
「胡蝶姫」に関しては、久しぶりに毒っ気があるというか外連味があるものが書けて楽しかったです。
和風というとどうしても専攻していた記紀神話に寄りがちだったので、もっと違うテイストのものも書いてみたかったのでした。
きっかけとなったのは、先日彼がbeatmaniaでプレイしていたこの曲。
籠の鳥というと、宗三左文字推しとしては書かずにはいられない鉄板ネタではあるんですが、私はどちらかというと籠の鳥よりも、その後見向きもされなくなってしまった秋扇の方が好みなので、これまであまり書いてきませんでした。
でも書いてみると歪な関係性を描けることや、ちょっと和ホラーな雰囲気を醸し出せるのも魅力だなと感じました。
この胡蝶姫のことはまたいずれどこかで掘り下げて書けたらいいなと思っています。