【エッセイ】手紙魔活動
手紙を頻繁に出すようになったのは、学生時代の頃からだったが、宛先は年々変わってきているとはいえ、手紙を書く習慣は未だに続いている。
元来寂しがり屋ということもあり、またアナログ人間ということもあって、手紙というメディアが私にはしっくりくるのだ。
季節ごとに切手を変えたり、便箋を選んだりするのも楽しいし、はがきは四季ごとに取り揃えてある。
引っ越してからはめぼしい文具屋さんが近所になくなってしまったので、都心に出るたびに紙モノをお迎えしている。
年中手紙を書く人間なので、季節を問わず使えるレターセットというのも大切なアイテムだ。
最近は封筒にシールを貼る楽しみや、美術展のポストカードを送る面白さも覚えて、ますます手紙を出すのが楽しくなった。
この人はこういう絵画が好きそうだなと思う相手に合わせてポストカードを選ぶのは、贈りものを送るようでわくわくする。
もともと人にものを贈るのが好きなたちなのだが、品物を贈るのは相手にも気を遣わせてしまうから、その点手紙は気兼ねなく送れるところがいい。
内容は様々だが、ちょっとしたお礼や、季節の挨拶、友人に本をあげたり貸したりするときに一筆添えたりと、口下手な私が手紙を通じて気持ちを伝えやすくなるのは本当にありがたい。
愛想のない私のせめてもの愛嬌として手紙というツールがあると感じる。
普段はチラシやDMばかりの郵便受けにかわいらしい封筒の手紙が入っていると、やはりうれしいものだ。
そういう何気ないしあわせを贈る気持ちで今日も筆をとる。