書評
◇国木田独歩『武蔵野』 武蔵野 (新潮文庫) 作者: 国木田独歩 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1949/05/24 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 55回 この商品を含むブログ (21件) を見る この一年、どれだけこの本に助けられただろう。 「忘れえぬ人々」や…
再訳 朝鮮詩集 作者: 金時鐘 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2007/11/29 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (7件) を見る 先日、韓国の著名な詩人・高銀が国際詩人賞を受賞したというニュースを知った。今年の一月ごろに受…
Twitterでひょんなことからオカワダさんの本を購入するに至り、夕方ごろ届いたのでさっそく読ませていただいた。 安定剤の副作用によって乳汁が分泌されてしまう青年・郡司と、旅館で郡司と共に働く外国人の青年・アランをめぐる物語。 全編を通して乾いた空…
今年は同人小説に親しんだ一年になった。 自分自身も文芸同人サークル「かもめ」を立ち上げたこともあり、同人小説に触れるおもしろさを改めて感じている。 創作同人イベントとしては、昨年秋の文フリに行ったきりだったけれど、推し作家さんのご本を通販で…
はじめて拝読する作者さんの作品が多かったこともあり、たいへん刺激に富んだ一冊だった。 特に印象に残った作品を掲載順に挙げていくと、まずは彩村菊乃さんの「零本・人魚語水漬白玉」。 外国のお伽話のような語りのスタイルが心地よく、時折挟まれる「ニ…
佐々木海月さん(@k_tsukudani)の小説同人誌『フリンジラ・モンテ・フリンジラ』を拝読しました。 ブクログに引き続き、感想を小説の文体で書いてみようということで、掌編を書かせていただきました。 「孤独とはひとに与えられた最大の恩寵ではないかね?」…
まず読んでいて感じたことはバランスがいい、ということ。物語の尺に対して内容が過不足なくまとめられているところがいい。物語の展開と構成にも無理はなく、登場人物たちの挙動にも自然な流れができている。何より台詞に頼りすぎることなく物語を動かして…
私の作品とともにこちらの作品についての評が載せられたメールを頂戴したのを今でも覚えている。曰く、大江健三郎風だと書かれていた。確かに「クチバシ」のモチーフは大江健三郎の短編小説「空の怪物アグイー」を想起させるもので、モチーフとしては大変興…