広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

6月の読了本と今後の見通し

かもめメンバーの御影あやさんが「6月に読んだ本」と題して読んだ本のまとめ記事を書いていたのを受けて、私も先月読んだ本と、今後読みたい本を記しておくことにした。

h7pno5ia.com

またあやさんの『華氏451度』の感想で、

レイ・ブラッドベリ著。これ6月なのか。だいぶ前のように感じる。サークル主宰にすすめてもらった本なのだが、彼女のススメはハズレがなさすぎてびっくりする。内容としては、本を持つことが違法となった世界の話。ひたすら世界の奥底に悲しみが潜んでいる。本がなぜあるのか、どうしてこの世界のようになってはならないのか、最終章で語られるシーンに共感を禁じ得なかった。訳もたいへんセンスがあり、流麗。

と、私のことまで褒めていただいて、大変うれしかったからというのもある。

この場をお借りして、お礼を申し上げたい。

 

さて、まずは先月読んだ本を振り返ってみることにする。

6月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:2707
ナイス数:201

NHKこころの時代~宗教・人生~ 禅の知恵に学ぶ (NHKシリーズ)NHKこころの時代~宗教・人生~ 禅の知恵に学ぶ (NHKシリーズ)感想
同番組を観ていたのだけれど、テキストでも読みたくなって購入。禅に関する本はこれまでにも読んできたものの、より禅の教義について掘り下げられていて勉強になるとともに、我が身を振り返って至らないところがあるのをまざまざと思い知らされた。「生かされている」という視線は普段生活していてつい忘れてしまいがちだけれど、実際周りを見渡してみるといかに自分が恵まれているかということを思わずにはいられない。そのことに感謝しながら前を向いて歩んで行きたい。
読了日:06月04日 著者: 
乱読のセレンディピティ (扶桑社文庫)乱読のセレンディピティ (扶桑社文庫)感想
文章の拙さがあまりに目立ってしまい、下手な文章にアレルギー反応が出てしまう身としては到底最後まで読み切れないと思い、三章の序盤で放り出してしまったのだが、興味を持った恋人がぱらぱらと読んだ上で「六章七章を読むといい」と云うので、六章と七章のみ読んだ。奇しくもこの本そのものが乱読の意義を伝えてくれたと思えば多少はありがたいけれど、それもこうして本にするレベルの内容だったかと思うと疑問だ。一度は売れた本の作者が片手間に書いた本だとしか私には思えなかった。
読了日:06月06日 著者:外山 滋比古
恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚 (ディスカヴァー携書)恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚 (ディスカヴァー携書)感想
28歳だが、自分自身はどちらかというと恋愛体質なタイプなので、周囲を見ていて「なぜ恋愛しないんだろう」と疑問に思うことが多く、手に取った。恋愛の背景には社会の問題が横たわっていることを学ぶことができた。恋愛結婚よりも連帯結婚をと呼びかける著者の主張には頷けるものもあったけれど、それでも恋愛に夢を見るのはそんなにコスパが悪くて不合理なことなのだろうかとも思う。「金麦女」に惹かれることを考えてみても、私の恋愛観・結婚観は保守的な部類に入るのかもしれない。
読了日:06月07日 著者:牛窪 恵
桜姫華伝 4 (りぼんマスコットコミックス)桜姫華伝 4 (りぼんマスコットコミックス)感想
瑠璃条がいじらしくて愛おしくなってしまい、ありなっちの描く女の子は本当に魅力的だなぁと思った。槐と結ばれてほしいけれど、敵サイドだからバッドエンドに終わってしまうのだろうか。ありなっちの贔屓キャラなようなので今後に期待。それから番外編で朝霧の泣き顔にぐっときてしまった。伏線を張る意味もあっただろうから、きっと彼女の夢は叶うと信じている。
読了日:06月08日 著者:種村 有菜
東大教授が教える独学勉強法 (草思社文庫)東大教授が教える独学勉強法 (草思社文庫)感想
ちょっともやもやすることがあって再読。とにかく自分の力で考える癖をつけること、学んだことを熟成させて応用力をつけることの大切さを改めて実感。自分の思考の癖はあまり意識したことがなかったけれど、分析することでより効率的に学べると知り、時間をかけて見つめ直したくなった。私は論理立てて批判的に物事を見る癖があるので、批判をした上で我が身を振り返るというスタンスが一番合っている気がする。またブログを書くときにも、引用をする際には必ず自分の意見も併記しておこうと肝に銘じた。
読了日:06月12日 著者:柳川 範之
桜姫華伝 5 (りぼんマスコットコミックス)桜姫華伝 5 (りぼんマスコットコミックス)感想
白夜がジャンヌっぽいデザインで、ジャンヌ連載時に読んでいたファンとしては嬉しい限り。白夜はもっとかわいくなりそうなのになぁと思っていただけに、妖艶な巫女姿になって嬉しさ倍増でした。朱里の話は思わず一緒に泣きたくなってしまったけれど、改めて槐の人心掌握術は恐ろしいなと。ヒールキャラとして魅力的すぎる。読み切り漫画も面白くて堪能しました。ありなっちは鏡のような対になるキャラが好きなのかな。光先輩のイケメンぶりにきゅんとしました。
読了日:06月13日 著者:種村 有菜
夜長姫と耳男夜長姫と耳男感想
夜長姫のコケティッシュで倒錯的な美しさに惹きつけられた一編でした。“一夜ごとに二握りの黄金を百夜にかけてしぼらせ、したたる露をあつめて産湯をつかわせ”て“その露がしみあっために、ヒメの身体は生まれながらに光かがやき、黄金の香りがする”と噂されているところや、神の化身と崇められながら死神のようにタナトスを司っている二面性がまた良いです。初めての安吾作品で、文体にちょっと面食らいましたが、それを上回る魅力がありました。
読了日:06月13日 著者:坂口 安吾
軽いめまい軽いめまい感想
金井美恵子は夏に読むにかぎる。文字通りめまいを催すような文体にくらくらとしながら酔い浸れるのも夏と相性が良い。何気ない主婦の日常を描きながらも、時折はっとさせられるのは、私ももはやそういう暮らしに足を踏み入れてしまったからに違いない。それでもその何気ない暮らしがこうして小説(というより散文詩だと私は思うのだが)になってしまうのは、ひとえに彼女の文芸の才能あってのことなのだろう。金井美恵子を勧めてくださった知人にあらためて感謝したい。
読了日:06月14日 著者:金井 美恵子
年収200万円からの貯金生活宣言年収200万円からの貯金生活宣言感想
老後に2000万円必要というニュースが出回っているため、図書館本ではなく購入して再読。なかなか貯金ができないのは、クレカ払いがやめられないからなのだなぁと再認識。とはいえ体調によって外出できないこともあるため、クレカは必須アイテム。まずは投資のパーセンテージを増やしたいところ。先月は15%だったので、あと10%増やせればいいのかも。ついつい消費と浪費に回してしまうけれど、もっと意識的に本を買いたい。経験的に貯金は天引きが一番なので、天引きの金額を引き上げることも考えたい。
読了日:06月15日 著者:横山 光昭
花々の詩歌花々の詩歌感想
日本近代文学館編『花々の詩歌』読了。文豪たちの自筆の短冊などの写真とともに四季折々の花を詠んだ詩歌をたどるという贅沢な一冊。気に入った詩を書き写したところ、与謝野晶子柳原白蓮など、情熱的な詩歌が多くなりました。三橋鷹女も好きだし、情念を燃やすような作品が好みなのかもしれません。また谷崎の筆跡を見られたのも僥倖。古典調を意識した短歌で、彼の短歌ももっと読んで勉強したくなりました。また西脇順三郎は長らく岩波文庫の詩集を積んでいるので、これを機に読もうと思います。
読了日:06月16日 著者:日本近代文学館
桜姫華伝 6 (りぼんマスコットコミックス)桜姫華伝 6 (りぼんマスコットコミックス)感想
朝霧の過去編、これぞ漫画の醍醐味と云わんばかりの展開でぐっときました。一巻でちら見せしていた雪女という美しいイメージから、こういうホラー展開が待っているとは。一寸師の血を飲んだ因果が短命をもたらすというのも外連味があって良かったです。右京との恋は切なくてちょっと泣きそうになりました。ありなっちの描く女の子の泣き顔には胸がしめつけられそうになります。彼と結ばれて欲しいけれど、敵対関係だから難しいのかな……。朝霧にはどうか幸せになってほしいです。
読了日:06月21日 著者:種村 有菜
手もちの時間手もちの時間感想
図書館本。穏やかでノスタルジックな筆致で過ぎ去りし日々の思い出が綴られていて、“記憶に残らないつまらない毎日も、その集積こそ自分に取って掛け替えのないものだと今は思っている”という「残らないもの」の一行にこの本の全てが詰まっているのだと思う。日々の中でつらいことが続いていた時に読んでいたため、何度も涙をこぼしながらページをめくった。この何気ない日常を愛することを忘れかけていた自分にはっと気づくことも度々だった。幸田露伴幸田文の血はまぎれもなく彼女に受け継がれ、その筆の精神は今なお輝きつづける。
読了日:06月27日 著者:青木 玉
金井美恵子詩集 (現代詩文庫 第 1期55)金井美恵子詩集 (現代詩文庫 第 1期55)感想
図書館本。夏に読むならやはり金井美恵子の文章にかぎる。気だるげで物憂い夜にぴったりと寄り添ってくれる。こうして読んでみると彼女の小説は詩の香りがするし、私が小説を書くヒントもこの辺りにありそうな気がするのだけど……。もっと詩で冒険がしたくなるような作品集だった。特に〈春の画の館〉抄は圧巻。あたかもルシール・アザリロヴィック「エコール」のような雰囲気に魅せられて、抄というだけに全文を読みたくなった。
読了日:06月28日 著者:金井 美恵子
雪沼とその周辺 (新潮文庫)雪沼とその周辺 (新潮文庫)感想
図書館本。雪沼に流れるおだやかでノスタルジックな空気感にすっかり心癒され、魅了されながら読んだのだが、「河岸段丘」の作者の主張とも取れる一節に強く心を打たれて、この作品もまた今まさに自分が読むべき小説だったのだと思い至った。それからはさらに物語の世界に引き込まれて一気に読了。「スタンス・ドット」「イラクサの庭」のポエティックな風情が特に好きだが、物語としてぐっときたのはやはり「レンガを積む」。病気や弱点を抱えながらも誠実に生きる雪沼の人々の姿に、人生の小さな灯火を見出した思いだ。
読了日:06月30日 著者:堀江 敏幸

読書メーター

 

6月は文芸書が2冊と1作、漫画が3冊、エッセイが1冊、詩歌が2冊、その他が5冊という内訳だった。

文芸書の割合が低いのは病気を患ってから変わらずと云ったところだけれど、もっと読んでいかないと、この先が思いやられる。プロを目指さないということがはっきりしたので、今後は自分の食指の動く本をどんどん読んでいきたい。

夏に金井美恵子を読むのは恒例となりつつあるし、次はいつかの文フリでお迎えしたまま積んでいた『早稲田文学』の金井美恵子特集号を読みたいところ。

それから以前から気になっているこちらも読みたい。『カストロの尼』は未読なのだが。 

カストロの尻

カストロの尻

 
ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ

ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ

 

 

それからフォロワーさんが気に入っておられるデュラスも一冊手元に迎えたので崩したい。

 最寄りの図書館にも何冊か蔵書があったことだし、しばらく読む本には事欠かなさそうだ。

図書館と云えばマンディアルグもずっと気になっている。

燠火―マンディアルグ短編集 (白水Uブックス)

燠火―マンディアルグ短編集 (白水Uブックス)

 

いつになるか見通しは立たないけれど、こちらもぜひ借りて読みたい。 

 

 

そして今月は詩歌が気になった月でもあった。そういうわけで詩歌を2冊読めたのは収穫だったけれど、次に気になっている詩人はあの朝吹真理子の父上である朝吹亮二の作品だ。 

朝吹亮二詩集 (現代詩文庫)

朝吹亮二詩集 (現代詩文庫)

 

 発端は現代詩手帖7月号での出会いだったのだけれど、過剰装飾なシュールレアリスムとでも云うべき詩「交叉」に強く惹かれた。

現代詩手帖 2019年 07 月号 [雑誌]

現代詩手帖 2019年 07 月号 [雑誌]

 

もともと山尾悠子のエッセイを目当てにお迎えした本だったけれど、時里二郎にも興味を抱いたし、ゆくゆくは彼の詩集も手に取って読んでみたい。

 

その他の本の割合が多くなってしまったことも、あまり否定的に考えすぎないようにはしたいのだが……。なにせ『東大教授が教える独学勉強法』は何かと心に響く箇所が多かったし、NHK出版の禅にまつわる本にしても、自分を見つめ直すいい時間を与えてくれた。

ストップしがちな勉強も再開したいところだし、今月も引き続き文芸書以外の本も読むように留意して読書を進めていきたい。