広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

しきたりとしての手紙

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長らく趣味で手紙を書いてきたけれど、ここ最近目上の方への御礼を述べるのに手紙を書く機会が二度ほどあった。もらいものをいただいて、本来ならばお中元などを差し上げるべきところなのだが、わけあって御礼の言葉を差し上げるに留めることになったのだ。時候の挨拶は誰がお相手であっても書くようにしているけれど、今回のような手紙では一段と緊張感が増す。


どちらのお方も遠方にお住まいなので直接お目にかかって御礼を申し上げることはできないけれど、それだけにメールやLINEではなく、はがきに御礼を書くということが、いかに大切なことなのかということに改めて思い至った。


30代も間近になって、こういう機会はますます増えていくのだろうと思う。プライベートなことではあっても、親しき仲にも礼儀ありとは良く云ったもので、一通の手紙に想いをこめることが相手への真心となるのなら労は厭わない。

デジタルでのやりとりがたやすくなった時代にある今だからこそ、アナログの手紙というのはそれなりの格式を持った御礼になりうるのだろうと思う。


手紙を書く時にはいつも万年筆を使う。愛用しているのはPARKERのDUO FOLDで、大学の入学祝いにと両親から贈ってもらったものだが、書き味はしっくりと手に馴染む。公の場面ではブルーブラックのインクを使うのが礼儀なのだろうが、今回はプライベートということもあって色彩雫紫式部のインクで手紙をしたためた。


そうして一字また一字と書いている間に、先方のことに想いを馳せる。いろいろとご心労の多いお方にはせめてもの気遣いを、お世話になっている彼のご家族には感謝の気持ちをこめて筆を動かす。少しでもその想いが届けばいいと願いながら。