広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

【お題参加】最近知った言葉

お題「最近知った言葉」

観楓(かんぷう)という言葉がある。紅葉狩りを指す言葉で、花見を指す観桜(かんおう)に対して観楓(かんぷう)と云うらしい。

この言葉を知ったのは三島由紀夫の小説『仮面の告白』だったと記憶しているが、もしかしたら『春の雪』だったかもしれない。

仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)

 
豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

 

 いずれにせよ雅な言葉だなと感じる。

言葉を覚えると使ってみたくなるというのが人のサガというもので、先月私も「狂愛の戯れ」という詩に「観桜観楓」という言葉を使ってみた。

http://star-bellflower06.tumblr.com/post/182914909432/狂愛の戯れ

star-bellflower06.tumblr.com

 

 谷崎潤一郎は『文章読本』の中で和語の美しさを強調しているけども、漢語も充分美しい。 

文章読本 (中公文庫)

文章読本 (中公文庫)

 

 要は使い方次第というところなのだろう。

谷崎が記しているように、

漢字と云う重宝な文字のあることが、却って禍している

 こともある。 

谷崎は二字熟語などからなる新語を批判していて、私も二字熟語を用いすぎた文章はあまり好ましく思わないのだけれど、観桜観楓の言葉の美しさは、それが対称であること、また季節感を醸し出していること、花見と紅葉狩りという和風の文化に中国風のニュアンスを添えることの美しさにある。

おそらく観桜も観楓も、ちょっと古風で改まった場所で用いられる語なのだろうということも格調高さが感じられてなお良い。

 

それにしても、ひとつの言葉をとってみてもこれだけ語ることが多いというのは面白い。

また何かの折に気に入った言葉を見つけたらこちらでも紹介したいと思う。