広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

【活動報告】東方瑠璃光世界

■Twitter300字SS
東方瑠璃光世界

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仏教をイメージした掌編を書きました。インスピレーションの発端は、最近再読した谷崎潤一郎蘆刈」の冒頭部のくだりです。

 

吉野葛・蘆刈 (岩波文庫 緑 55-3)

吉野葛・蘆刈 (岩波文庫 緑 55-3)

 

 


『遊女記』の中には、観音、薬師、熊野、鳴渡(なると)などという名が伝わっているがそれらの水の上の女どもの多くは何処へ行ってしまったのであろうか。かのおんなどもがその芸名に仏くさい名前をつけていたのは婬(いん)をひさぐことを一種の菩薩行(ぼさつぎょう)のように信じていたからであるというが、おのれを生身(しょうしん)の普賢(ふげん)になぞらえまたあるときは貴(とうと)い上人(しょうにん)にさえ礼拝されたという女どものすがたをふたたびこの流れのうえにしばしうたかたの結ぼれるが如く浮かべることは出来ないであろうか。


仏教と遊女という取り合わせが面白く、また心惹かれたためにこのような作品に仕立ててみたのでした。

 

おかげさまでうれしいご感想をいただきました。改めまして感謝申し上げます。

 

なお、この作品は以下のモーメントにまとめております。

ここ最近「紫水宮」に載せた作品の中で評価をいただいた詩や俳句がご覧になれます。

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■詩
墓標の詩

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曹植の「吁嗟(くさ)篇」を踏まえて書いた詩です。


吁嗟此轉蓬 吁嗟(ああ) 此の転蓬(てんぼう)
居世何獨然 世に居(お)る 何ぞ独り然るや
長去本根逝 長(とお)く本根(ほんこん)を去りて逝き
夙夜無休閒 夙夜(しゅくや)休閒(きゅうかん)無し(…)

 

この詩は文芸ラジオ一号に寄稿した「翡翠譚」にも引用したほど思い入れのある詩のひとつなんですが、今回どうしてもこの詩を使いたかったのは、某出版社の『文選』の宣伝文句に疑問を抱いたからなのでした。(吁嗟篇は『文選』には入っていませんが)
古典には巧言令色を弄さずとも、時代に媚を売らずとも、純然たる価値があるはずだと私は信じていたいです。
それはともかく、前から形にしたかった中華×SFを詩という形式で表現できて、少し安堵しています。
かもめメンバーの御影あやさんからもご好評いただいたので、今後ともまた違う形で書いていきたいなと思っています。

 

■俳句
秋声

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秋風という題で俳句を詠もうという話になり、即興で詠んだのが「秋風や兄を攫ひし鬼の声」でした。
それに続く句を詠んでみたのが「秋声」です。こうして一二年ほど俳句を詠んでいると、季語の乏しさを改めて感じますね……。歳時記を買って勉強しようかなと思っているところです。