広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

【活動報告】Twitter300字SS、詩と短歌

■織女

第四十四回Twitter300字SSに参加させていただきました。

http://star-bellflower06.tumblr.com/post/175638750073/織女

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織女とは織姫のことで、漢詩には牽牛織女とセットで出てくることが多いです。特に私の愛読している『玉台新詠』は艶詩と呼ばれる恋愛を詠んだ詩が多いため、ちょくちょく出てきます。

玉台新詠集 上 (岩波文庫 赤 10-1)

玉台新詠集 上 (岩波文庫 赤 10-1)

 

擬迢迢迢牽牛星 陸機
昭昭天漢暉 昭昭 天漢輝き
粲粲光天歩 粲粲 天歩光る
牽牛西北回 牽牛 西北より回(めぐ)る
織女東南顧 織女 東南より顧(かへりみ)る
華容一何綺 華容 何ぞ綺なる
揮手如振素 手を揮(ふる)ふ 素を振るが如し
怨彼河無梁 怨む彼の 河(か)に梁なきを
悲此年歳暮 悲しむ 此の年歳暮るるを
跂彼無良縁 跂彼(きひ) 良縁なし
睆焉不得度 睆焉(くわんえん)度(わた)るを得ず
引領望大川 領(れい)を引いて 大川(だいせん)を望む
隻涕如霑露 隻涕(さうてい)霑露(せんろ)のごとし

良縁に恵まれず、彦星のような殿方を夢見て川に佇み涙をこぼす女性というロマンティックな詩で、いかにも六朝詩らしい恋情と悲哀を歌った詩ですが、私の書いた「織女」は、永久の契りを交わした織姫が恋多きお姫様だったら、ちょっとふしだらでエロティックだなという発想から生まれました。
投稿日がちょうど七夕だったので、めずらしく時節に合ったものをと思いまして……。
殿方に焦がれる想いは一緒でも、一途でない織姫もそれはそれでありかなと。

 

 

■あやかし万華鏡

http://kamomesong.tumblr.com/post/175637742086/あやかし万華鏡

kamomesong.tumblr.com


こちらはかもめソングに寄稿したものです。
竹雀氏からは「わらべうたの裏バージョンのような話」という評をいただきました。
実は横溝正史とか江戸川乱歩などの描き出す、和風で妖しい物語へのオマージュとして書いたんですが、おかげさまで評価をいただけたようでうれしいです。
物語に出てくる万華鏡は、現代で見かけるようなクリエイターさんが作った豪華絢爛なものではなくて、お土産屋さんにおいてあるような和柄の布で巻いた安っぽい品のイメージです。
女子供が喜ぶものを収集する美青年、という倒錯的なフェティシズムをこめたつもりです。

 

■短歌

うさうららさん主宰の短歌ハッシュに参加させていただいております。

 

ちょうどとうらぶで千代金丸が実装されたこともあり、また美の壷芭蕉布の回で沖縄が気になって本を読んでいたところだったので、沖縄をイメージして詠みました。

読んでいた本というのはこちらです。

沖縄の歴史と文化 (中公新書)

沖縄の歴史と文化 (中公新書)

 

 たいへん密度の濃い一冊で、東アジアや東南アジアからの影響を受けながら醸成されてきた沖縄の文化に魅了されるとともに、時折挿入される沖縄の民謡の響きに癒しを感じましたが、謝花昇に象徴される、近代以降の沖縄の悲劇に胸が痛みました。沖縄本島だけでなく、宮古島八重山の歴史にも触れられていて、その豊かさに驚きました。また創世神話のくだりは記紀神話を専攻した身としては大変興味深く、やはり折口信夫を読まねば、という思いを新たにしました。

こうして文芸書以外の本を読むのは久しぶりのことだったので、もっともっと勉強せねばなぁと思いつつ、積読本が増える一方です……精進します。