広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

文フリを振り返って

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はじめての出店ということもあり、色々と反省点の多いイベントになりました。
かもめソングが思いの外捌けてくれなくて、もうちょっと事前に内容に踏み込んだ告知をすべきだったのかなという思いが一つ、装丁もまだまだ改良の余地があるなというのが一つ。
もともとかもめは大学時代の文芸サークルの同期で集ってはじめたサークルで、当時から部誌に小説を載せてきた百戦練磨の猛者ばかりなので、今回も粒ぞろいの小説が揃ったのです。
それでも読んでくださる読者の方がいてこその作品なので、今後はもうちょっとプロモーションを考えていきたいです。

 

◇合同誌『かもめソング』
御影さんの「Augen 生まれおちた子」はSF小説で、彼女独自の世界観はweb版かもめソングに連載していた「骸骨博士の愛娘」からも伝わってきます。今回はその派生作品を書いてくださったのでした。


いっこさんの「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」は、web版かもめソングに載せた同作を短編小説として仕立て直したもので、最後のサゲの部分がとてもいいなぁと感じます。作中の途中に出てくる「天国では誰もが海の話をしているって本当?」というヒロインの言葉が私の中でいつまでも心に残っていて、なんともロマンティックだなぁと感じる幻想小説でした。


竹雀氏のエッセイはweb版かもめソングに載せた数々のエッセイの中から選りすぐりのものを選んだもので、私個人としては「台風を聴く少年」「昆虫蒐集家の愉悦」が特に好きです。
彼の妙味の効いたエッセイは、この『かもめソング』の一服の清涼剤となってくれました。


最後に載せた拙作「翠の鳥」はweb版かもめソングに載せた詩を小説に仕立てたもので、詩を載せた当初から竹雀氏には「短編小説向きだね」と云われていたのでした。
平安時代ぐらいが舞台だろうと人には云われますが、楽人の制度が整ったのは江戸時代の頃なので、実は江戸時代を念頭に、平安風の要素と中華風の要素を取り合わせて書いています。
山中他界に迷い込み、仙人の暮らす楽園へと誘われるのは、「遊仙窟」をはじめ、中国の伝奇小説の定型で、この作品は中野美代子のエッセイ集にかなり影響を受けています。
そしてあとがきには載せられなかったので、「翠の鳥」のイメージBGMを載せておきます。

 

「翠の鳥」イメージBGM
寺乃小道/天地雅楽
記憶の森/S.E.N.S
L’oiseau Bleu/S.E.N.S
snow in midsummer/The films
wind flower/The films
kumoito/The films

 

◇詩集『挽歌-elegy-』

詩集『挽歌-elegy-』の方はほとんどwebに載せた詩の再録という形になってしまって、個人的にはとても残念だったのですが、詩のクオリティを担保するということは思ったよりも難しく、毎回即興で書いて一発OKでなければ没、というスタンスで書いています。やはり短期間で、あらかじめ書きたいモチーフを選んでおいて詩を書く、というのは向かないタイプみたいです。
それから今の作風の詩はある程度行き着くところまで行き着いてしまったのかなというのが正直なところなので、今後はもっと詩の勉強をして、さらに世界観を広げていきたいと思っています。
今回手厳しいコメントを身内からたくさんもらって凹んでいたのですが、ありがたいことにwebでは評価をいただけることも多く、まだまだ先を見据えて進んでいかなくてはという気持ちを新たにしました。
本としてはかなりこだわって作った一冊になったので、イベントで手にとっていただけて本当に嬉しかったです。今後もまた別の形で第二弾となる詩集を出せるよう、励みたいと思います。

 

嘉村詩穂(雨伽詩音)