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広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

文アルの国木田独歩に射貫かれました。

文アル

特務司書着任一ヶ月半にして、ようやく国木田独歩の耗弱グラを回収した。

 

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プライドは高いけれど、クールでそつのない、上品な青年だなあという第一印象で、二軍の固定メンバーとして働いてもらっていたのだけれど、私にとってはそれほど印象に残るというタイプのキャラではなかった。

しかしいざ耗弱状態になった彼はいつもの虚勢はどこへやら、覇気に乏しく、すっかり弱気になっている。

己の文学への自負心が強いのは、挑みかかった壁の高さを知っているからこそでもあり、その不安を常に抱えているからなのだなと気づいた。

 

そういう彼の姿にすっかり心打ち抜かれてしまい、人間、不意打ちを受けた時ほどキャラクターの魅力にとりつかれてしまうのだなと感じた。

ちなみにどれぐらいの衝撃だったかというと、家族では知らぬ者とていないお風呂嫌いな私が、頭を冷やそうと即座にお風呂に飛び込んだレベルである。

 

ゆず湯に浸かりながら、あれこれ思案をめぐらせていると、文アルの国木田独歩の姿に「バッテリー」の原田巧が重なった。

彼もまたプライドが高く、周囲には理解されないものの、投手としての才能はぬきんでている少年で、作中の登場人物に「姫さん」などと軽口を叩かれる。

 

文アルの国木田独歩も、この「姫さん」に当たるなあと思い至ったが、「姫」とはいっても、昨今ちらほら見かける「プライドが高い美人な(あるいはかわいい)男性キャラ」像には彼は当てはまらない。

もちろんそういう美人にも魅力はあるのだろうけれど、独歩にはそういうあざとさのない、青年の自負のような青臭さが感じられるのが、私には好印象だったのだ。

文学を志した青年ゆえの懊悩とか、葛藤がありありと伝わってくるのがたまらなくいとおしいと思ったのだ。

だからここはあえて(うちの図書館では)彼を原田巧とならぶ「姫」ポジとしたい。

 

それにしても、文アルはつくづく予想外な方向から攻めてくるなと感じる。

これまでの遍歴から考えてみても、もともと谷崎や荷風といった耽美系のキャラに走る予定でいたのに、高村光太郎に転がり落ちてしまったし、今日はこうして国木田独歩の魅力に惹きつけられてしまった。

そういう文アルがとても好きだ。