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広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

芸術鑑賞記録

■デザフェス vol.44

彼と行ってきました。デザフェスは芸大の学園祭みたいなノリを楽しめるので、毎回幾たびに新たな発見があって楽しいです。

今回は無謀にも事前にサークルチェックをすることなく、足を運んだのですが、以前ペンダントを購入したアトリエKさんのブースにたまたま立ち寄って、ブレスレットを購入しました。

まさかまたこういう形で出会えるなんて……と感激してしまいました。

 

それから4階の照明を落としたゾーンではNagnomaさんのポストカードを購入。

ここのところ友人が元気をなくしていた様子だったので、お手紙を出そうと明るめのものを選びました。右ふたつは自分用に。

手紙魔なのにポストカードを送る習慣がなかったのですが、今回友人知人に送ってみて、ポストカードっていいなぁと感じました。

送り先の人の好みを考えたり、その人の気持ちに寄り添うようにチョイスができるのがうれしいです。

手紙魔活動もお休み気味だったので、またちょっとずつ再開していきたいところ。

 

■アザリロヴィック監督「エヴォリューション」@UPLINK

 

 

大学時代の先輩とUPLINKでエヴォリューションを鑑賞してきました。

併映されていた「ネクター」ともども、私の好きな世界観がぎゅっと濃縮されていて、鑑賞から一週間ほどになろうかというのに、まだ映画の世界にひたっています。

ネクター」はメイドたちに体をなで回されて、女王蜂がベッドで悩ましげな吐息をこぼしているシーンが好きで好きで……。ああいう耽美なエロスは私の理想美そのものです。

映像で魅せる映画はもともと好きで、前作「エコール」も何度も観ていますが、今回は

より観念的な美を描いていることもあって、さらに映像美に没頭してしまいました。

「エヴォリューション」の方は、終始不安がつきまとうほの暗い画面と、看護師たちの不気味な面立ち、そして少年たちの人体実験じみた妊娠という倒錯した美が、観る者の心に押し迫ってきて、これまでにない映画体験を味わえました。

 

いつわりの母親たちの交合のシーンも惹かれましたが、あのゲテモノごはんがなかなか脳裏から去ってくれません。

海辺育ちで、海の貝(地元ではミナと呼んでいました)を塩で炊いて食べるとか、祖父の拾ってきたウニをたたき割って生ウニをすするとかいう幼少期を過ごした身としては、あのゲテモノごはんはきっと美味しいのではないかと思ってしまいまして……。

 

まあそれはともかく、劇場で購入したパンフレットも内容が充実していて、皆川博子津原泰水七戸優二階健などアングラサブカル御用達の方々のコメントが収められているのがうれしいかぎり。ヒグチユウコさんのイラストも入ってます。

なにより、アザリロヴィック監督が影響を受けた作品がリストになっているのがありがたいです。

本ではレイ・ブラッドベリシオドア・スタージョンフィリップ・K・ディックラヴクラフトなどSF作家や怪奇幻想系の作家が挙げられていて、これは読まねば……!と心を駆り立てられます。

SFは去年個人的ブームが来たものの、最近はご無沙汰だったのでもっと読みたいところ。

 

 

河瀬直美監督「あん」

「エヴォリューション」に誘ってくださった先輩からお借りして、ようやく観ました。

私の祖母はあんからお饅頭を作ったり、お餅を作ったりしていたので、樹木希林さん演じる徳江さんが祖母の姿に重なってしまって、あんを作るシーンからずっと涙が止まりませんでした。

身近にある自然のささやかな美しさに目を留めて、大切に慈しむ姿も祖母と重なって、こういう生き方をしてきた人間のうつくしさにはかなわないな、と心から思いました。

 

それから千太郎さんの無愛想な態度とか、わかなちゃんのぼそぼそとした話し方とか、実にリアルでいとおしくなりました。

社会でうまく生きていけない人間たちが寄り添って、心を通わせ合う姿は、切なくなるほどに胸に響きます。

私もまた社会的にうまく生きていけずにいる人間のひとりなもので……。

それでも生きていこうというメッセージが伝わってくる、本当にすばらしい映画でした。

 

 

すみだ水族館

蜷川実花さんとのコラボでクラゲが展示されていて、幻想的なうつくしさに魅せられました。

水族館へ行くたびに水槽を眺めて「ああこの子たちも生きてるんだなぁ」と不思議な気持ちになります。

どんなに小さな魚でも、小指の先ほどの大きさのクラゲにも、ひとしく命が宿っていることに毎回驚かずにはいられません。

奇妙な貝やイソギンチャクを観て、一緒にいた彼が「こいつらどんな気持ちで生きているんだろうな」と云ったのが印象的でした。

それから、すみだ水族館にはガラス張りのクラゲの研究ブースみたいなスペースが設けられていて、そこで白衣を着た女性がクラゲの水槽の世話をしていたのですが、彼と「短編小説の主人公みたいだな」「小川洋子の小説に出てきそうだよね」と話したのでした。

実はここでもポストカードを買ったので、また時期を見て誰かに送りたいと思っています。