読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

小説を書くための読書法

思考メモ

私のなかでは読書には小説を書くための読書と、娯楽のための読書とのふたつがある。

 

娯楽のための読書はもっぱら歴史小説や時代小説が多い。歴史ものが好きということもあり、読みやすく気兼ねなく楽しめるという点でいい気分転換になる。歴史小説はプロットが単純明快なものが多く、エンタメ性が高いところも娯楽として読むのにうってつけなのかもしれない。

 

それとは別に小説を書くための読書がある。こちらでは単に資料となる学術書ばかりでなく、書きたい小説を書くために読まなければならない本を読む。小説を書くためには小説を読まなくてはならない。これは筋トレとそう変わらないものなので、読みたくて読む本とは勝手が違う。つまり何を読むかが肝になってくる。

 

ある小説を書きたいと思ったときに想起される既存の小説は片っ端から読む。それに加えてこれまで読んだことのある作品のなかにそうした小説があれば、何度も再読する。これまで書いてきた小説では、幾度となく再読してきた作品が私の物書きとしての筋力を鍛えてきた。

 

再読するメリットはいくつかあるけれど、反復することでその物語の構成や文体を自分の中に染みこませるというのが一番大きい。一度読んだだけでは流し読みしてしまうところも、繰り返し読むことで自分のものにできる。

私はこれまでに文体模写をしたことはないが、自分の文体を育てる上で一番役立ったのは再読に他ならない。

以前併読が効果的だと書いたけれど、再読はそれ以上の効果をもたらすと実感している。

 

なお、私は作品を書くために必要な小説は専門のスペースを設けてそこに集めておいている。私の場合、読書計画どおりに事が進まないのが常なので「せめてこれは読めよ」と物理的に提示しておくと本を手に取りやすいし、浮気することもやや少なくなっている気がする。

 

本をすぐに読める状態にしておくというのは大事なことで、本棚の奥にしまってある本はだいたい読まない。既読本で読みたいと思えばまた別だけれど、積読本は引っ張りだそうともしないで眠らせている。だからできるだけ手を伸ばしやすい位置にスペースを用意しておいて、本棚を見ればいつでも目につくようにする。

 

そこにはあまりたくさんの本を置かないのもポイントかもしれない。短期的にどうしても必要な本を置くことで本棚の空気を循環させておけば「読むべき本」があってもあまりプレッシャーに感じずに済むのだ。