広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

エッセイ

しきたりとしての手紙

長らく趣味で手紙を書いてきたけれど、ここ最近目上の方への御礼を述べるのに手紙を書く機会が二度ほどあった。もらいものをいただいて、本来ならばお中元などを差し上げるべきところなのだが、わけあって御礼の言葉を差し上げるに留めることになったのだ。…

【エッセイ】手紙魔活動

手紙を頻繁に出すようになったのは、学生時代の頃からだったが、宛先は年々変わってきているとはいえ、手紙を書く習慣は未だに続いている。 元来寂しがり屋ということもあり、またアナログ人間ということもあって、手紙というメディアが私にはしっくりくるの…

【エッセイ】幇間がほしい

私はとにかく退屈しやすい。始終退屈していると云っていいかもしれない。これまで飽きてきたものは数知れず、唯一続いている趣味として読書があるのは、読書が無聊を慰めるのにもってこいだからなのだろう。谷崎潤一郎の小説に「幇間」という短編がある。主…

【エッセイ】ディレッタントの悦楽

小説を読んでいて私が愛してやまないのは、小説の中の主人公が、芸術書などの書物を自在に床に広げて、あるいは部屋に持ち込んで耽読する場面だ。 それから私は、今迄親しんで居た哲学や芸術に関する書類を一切戸棚に片附けて了って、魔術だの、催眠術だの、…

器に魅せられて

最近新たに器をお迎えした。ひとつはイッタラのティーカップで、こちらは彼がご執心だったもの。 あまり私の好みではないなと思っていたのだけれど、コーヒーを注ぐとこれが映える。 私は青を使うことになったのだが、ミルクティーとの相性も良いし、描かれ…

【エッセイ】図書館という思い出

その図書館との別れはいつまでも私の心に尾を引き続けるのだろうと思った。かつて住んでいたアパートメントから徒歩五分圏内にあった図書館へゆく道すがらにある、家の軒先に群れ咲く花々は私を本の花園へと誘う蝶のようだった。冬になれば山茶花が色鮮やか…