広寒宮

アマチュア作家・雨伽詩音の活動報告その他諸々

【活動報告】真珠姫の恋

◇詩
真珠姫の恋
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泉鏡花の「海神別荘」と、ルシール・アザリロヴィック監督の映画「エヴォリューション」にインスパイアされて書きました。

「海神別荘」では美女が海底にある琅玕宮の公子のもとへ嫁ぐストーリーですが、それを反転させてみました。云うまでもなくアンデルセンの「人魚姫」を意識したストーリーになっています。

古代と未来が直でつながるというのはSFの醍醐味だなぁと感じていて、その時間操作にロマンを感じています。これはもろにエヴォリューションの影響ですね。ラストシーンの云いようのない不安をかき立てる工場都市の様子は強く印象に残っています。


映画『エヴォリューション』予告編

 

そしてかもめメンバーの御影あやさんからもうれしいご感想をいただきました。

海神別荘

海神別荘

 
鏡花夢幻―泉鏡花/原作より (白泉社文庫)

鏡花夢幻―泉鏡花/原作より (白泉社文庫)

 

 「海神別荘」は青空文庫でも読めますし、「夜叉ケ池」「天守物語」が併録された波津彬子さんの漫画もあります。漫画版の方は一昨年前に金沢の泉鏡花記念館でお迎えし、金沢二十一世紀美術館の原画展にも足を運びました。美麗なタッチで描かれる鏡花ヒロインの美しさは必見です。

 

花守

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こちらは赤江瀑皆川博子という幻想文学の代表的な作家たちの作品に触発されて書きました。

花夜叉殺し (光文社文庫)

花夜叉殺し (光文社文庫)

 
蝶 (文春文庫)

蝶 (文春文庫)

 
少女外道 (文春文庫)

少女外道 (文春文庫)

 

 

赤江瀑は実はあまり得意ではないのですが、一昨年前に図書館で借りて読んだ短編が未だに記憶の片隅に残っていたようで、何が役立つかわからないというのが創作の面白さでもあるのかなとあらためて実感しました。

皆川博子の方はというと、私、彼女の描く狂女が大好きなんですよね……。悲しくて美しくて、そして妖しい。さながら上村松園の花筐のようだなと思いながらいつも読んでいます。

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上村松園の絵の中ではこの花筐が一等好きです。

 

◇俳句

十戒

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歳時記をようやく手に入れたので、歳時記に沿って詠んでみたらいつもと違う作風になりました。実験的な要素が強いので、まだまだ試行錯誤の余地はあるなぁという感じですが、普段和風の句を詠むことが多いので、西洋的な要素を入れられて結構楽しかったです。

 

暗黒神話

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大学時代に専攻していた記紀神話をベースに詠みました。やっぱりネタ元に親しんできただけあって、するすると詠めました。

夜刀神というのは『常陸国風土記』に登場する神のことですが、それ以外は古事記日本書紀からとっています。梔子のきみは云わずもがな垂仁天皇のことですね。

神話というものは何度読んでも面白いですし、読むたびに新たな発見があります。

昨年末に石川淳の『新釈古事記』を再読したのですが、これがもう語りの妙が効いていてぐいぐい引き込まれました。

新釈古事記 (ちくま文庫)

新釈古事記 (ちくま文庫)

 

 古事記の面白いところ、わくわくするところだけを抜き出してまとめてあるので、古事記に初めて触れるという方にもおすすめです。

 

睦月幻想

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タイトルに窮してこんな表題になりました。

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昨年歳時記をようやくお迎えしまして、いつも体調が悪いおりに臥せりながら詠むスタイルで俳句を詠んでいるのですが、こちらの本はハンディで扱いやすいので横になりながらでも活用しやすいです。

歳時記があるといつものノリでもまた雰囲気の違う俳句が詠めたり、季語からインスピレーションが湧いてきていいですね。

【お題参加】かもめの3年間をふりかえって

早いもので、文芸同人サークル・かもめを結成して今年の5月で3周年になる。web文芸同人誌かもめソングを拠点とし、大学の文芸サークルの同期メンバー4人で作った小さなサークルだが、当初は竹雀氏はともかく、御影あやさんやいっこさんとはあまり会話を交わしたことがなく、少々不安もあった。

しかしメンバーたちの創作意欲は大学を出てからも衰えず、毎月きちんと作品を寄稿してくれるので、主宰としてはたいへん助かっている。

仲間内のグループLINEで感想をやりとりし合ったり、年に数回私の気まぐれに選んだカフェでお茶会をするなどして交流を図り、気づけば3年目を迎えていたという感じだ。

 

過去のお茶会の様子はこちら。

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web版かもめソングのフォロワー数は決して多くはないけれど、その分メンバー間でしっかりフォローし合うことで続けてこられたのかなと思う。

少数ながら固定ファンもついてくださっているのは本当にありがたいことだ。

昨年には合同誌『かもめソング』を文フリ東京にて頒布することができ、特に多大なるご支援をいただいた竹雀氏には感謝したい。

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初めて作る同人誌ということで、至らない点もあったが、無事に完売までこぎつけることができたのは、ひとえにメンバーたちが個性豊かな作品を寄稿してくれたからだ。

SF、現代小説、エッセイ、ファンタジーとバリエーション豊かな一冊になった意義は大きい。

何より作品のクオリティが(私の身贔屓を差し引いても)粒ぞろいで、緩急のついた構成になった一冊に仕上がったのは主宰としてたいへん喜ばしかった。

メンバーの環境の変化もあり、すぐに第二弾をというわけにはいかないが、またいずれ一冊の同人誌としてかもめの作品集を作れたらいいなと思っている。

ありがたいことに3年を経た今でもメンバーたちの創作意欲は翳りを見せる様子はなく、彼らを引っ張っていけるように、私も気を引き締めて自分の創作に打ち込んでいきたい。

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拙作「山妖記」にご感想をいただきました

いつもお世話になっている祐真(スケザネ)さんから、昨年酒アンソロジー『生きは酔々 二軒目』に寄稿した「山妖記」にご感想をいただきました。

この小説は和漢折衷妖怪ファンタジー短編作品で、妖と人間の血をめぐる物語です。

主人公は盲目で妖怪の母親の元に生を受け、やがてその母と対峙するというストーリーになっています。

以下、本がお手元にある方も、手元にはないけれど興味を惹かれた方も、ぜひご覧下さい。

 

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以下、祐真さんからのお言葉の引用です。

 

これは私の読んだ嘉村作品の中で、最高傑作ではないでしょうか。
嘉村作品の強みである設定の魅力はそのままに、弱点であった設定や詰めの甘さが徹底的に煮詰められて、見事というほかありません。
特に血の色について、主人公が盲目だからこそ、苦しみ疑惑を深めるというのは設定と内容の深みが手を携えた、書き手としては会心の出来でしょう。
草花、動物、そしてそれを五感によって書き分ける技は芸術の域で、もしもこれで長編が書き切れたらえらいことになりますね。

加えて日本語のレベルに磨きがかかりました。
嘉村作品は以前から日本語については出色の出来で、それこそ日本語が売りの一つでしたが、より完成度が上がったように思います。
これだけ接続詞が少ないのに、スピード感とテンポのある展開を実現しているのは素晴らしい。接続詞があるとどうしても理屈っぽくなり、作品にそぐわないのですが、さりとて接続詞がないと文章として読みにくい。そのジレンマはほとんど感じさせません。
物語の交通整理、全体の構成を示すところ(特に冒頭のめまぐるしい説明)は改良の余地がありそうです。

 

 

祐真さんとは昨年知り合って、その古今東西の書物を渉猟するバイタリティと知識量には日々圧倒されています。

ほんのちょっとご紹介しておくと、

……こういうお方です。彼の言葉が決して身贔屓ではなく、多大な読書量に裏打ちされた言葉なのだということがよくわかると思います。

 

ちなみに祐真さんはパセリ流星群でもお世話になっていたお方で、今は森見登美彦の『熱帯』にお熱なようです。

parsleymeteor.hateblo.jp

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 読書会などを通じて、彼の作品への読み込みの深さと的確さにはいつも驚かされますが、こちらも圧巻です。ぜひご覧下さい。

 

ちなみに彼からは拙作「翠の鳥」にも懇ろなご感想をいただいております。

evie-11.hatenablog.com

ぜひ併せてご覧ください。

 

ちなみにこの「翠の鳥」は、合同誌『かもめソング』頒布および完売から一年が経つことを踏まえて、5月にカクヨムにて公開する予定です。

 

これまであまりネットに小説を載せるということをしてこなかったのですが、これもいい機会かなということで。

マシュマロで「嘉村さんの作品を初めて読むならどれがおすすめですか?」という質問をいただいて、とっさに『文芸ラジオ一号』に寄稿した仙界ファンタジー短編小説「翡翠譚」をおすすめしたのですが、こちらはすでに絶版になっているので、そういう意味でも私の小説を知っていただくいい機会になればいいなぁと考えております。

 絶版になってても古書で買うから読んでもいいよ、というお方はこちらをぜひ。

文芸ラジオ 1号 ([テキスト])

文芸ラジオ 1号 ([テキスト])

 

ここ四年ほど書いてきた小説たちの原点はすべてこの「翡翠譚」にあると云っても過言ではありません。この小説を書かなければ、少なくとも今の私はいないなぁと感じています。プロの作家の方に見ていただいた作品でもあるので、思い入れはひとしおです。

 

まだまだこれからも力作を書いていけるように、今年も精一杯励んでいきたい所存です。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。 

 

【エッセイ】図書館という思い出

その図書館との別れはいつまでも私の心に尾を引き続けるのだろうと思った。かつて住んでいたアパートメントから徒歩五分圏内にあった図書館へゆく道すがらにある、家の軒先に群れ咲く花々は私を本の花園へと誘う蝶のようだった。冬になれば山茶花が色鮮やかな衣をまとい、2月頃になると白梅の香りが匂やかに香った。


その図書館は最近の小ぎれいな図書館とは異なって古めかしく、二階建てのこじんまりとした建物からなっていて、都心の真ん中にあってわざわざこの小さな図書館を利用しようという奇特な人は少なかったのか、いつも人影がまばらだった。家から歩いて徒歩五分という立地にあったこともあって、「みんなの図書館」でありながらも、「私だけの図書館」という意識がいつも心のどこかにあったのだ。


読みたい本がその図書館になければ、近隣の図書館にから本を取り寄せてむさぼるように読んだ。いつも本を手配してくださる司書の方々には本当にお世話になったし、ほぼ家にいながらにして本が読めるという状況は私の読書体験を豊かなものにした。


図書館の館内はというと、世界幻想文学大系全巻がずらりと並んでいるなど、特に文芸書に力を入れていることが窺い知れて、そこも好きなポイントのひとつだった。


私は特に詩歌の棚を眺めるのが好きで、万葉集から近現代の詩歌までがずらりと並んでいるさまには心が満たされた。日夏耿之介高村光太郎もあの本棚があったから出会うことができた。中西進先生の『万葉の秀歌』を保存書庫から出してきてもらって借りた思い出は、未だに忘れられない。
インターネットで本を買えばすぐにでも手に入る本を、そうして回りくどいことをしながら読むということには、物語の外側にある物語を享受することが伴う。その日の図書館に流れている空気を今でも私はありありと思い出す。ちょっと日が傾いた館内のもの憂い空気を。


ああ、今でも私の心の中にはあの図書館が建っている。海外文学の棚を見るともなく見て歩いた時の静かな胸の高まりも、予約して取り寄せた古典全集のたぐいを片っ端からコピーして鞄に詰めこんだときの焦燥感も、ありありと思い出すことができる。


引っ越しが迫った日、私は図書館との別れを惜しむため、あえていつもとは違うルートを通って図書館へと向かった。高台にある道路から小さな階段を下りて図書館に向かうと、あたかもジブリ映画の耳をすませばに出てくる階段を下りているようで、それがたまらなく私の胸をときめかせるのだった。


図書館にたどり着いて、本を借りるでもなく館内をゆっくりと見て回った。いつもは足を運ばない自然科学系の棚や建築の棚に近づいてみると、こんな本があったのかという新たな発見もあり、私はこの図書館のことを半分も知らなかったのだという思いに駆られた。名残惜しさが私の心にこみ上げてくるとともに、この小さな図書館の魅力にあらためて触れた思いがした。

 

その図書館の開館カレンダーと貸出カードは未だに捨てずに大事に取ってある。今となっては私とあの場所をつなぐもの、私があの場所で過ごした日々を証すものはたったこの二つのアイテムだけなのだ。図書館で借りた本は一切手元に残らない。
その寂しさと、図書館という場所の潔さもまた、私にとっては焦がれてやまない魅力としていつまでも心に残り続けるのだ。

2018年美術鑑賞まとめ

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◇日本美術
仁和寺と御室派のみほとけ―天平真言密教の名宝ー@東京国立博物館
琳派 俵屋宗達から田中一光へ@山種美術館
京都醍醐寺 真言密教の宇宙@サントリー美術館
東山魁夷展@国立新美術館
人間国宝展@MOA美術館

 

◇西洋美術
ルーベンス展@国立西洋美術館
フェルメール展@上野の森美術館

 

いやぁ、少ない。ここ数年は美術鑑賞好きの家族と展示を観に行くことが多かったのですが、引っ越しを経て、都心まで出るのが億劫になってしまい、なかなか行けずじまいになってしまいました。反省せねば。それでもここ数年密教の展示にいくつか足を運んでいることもあって、「この密教画は珍しいな」「こういう品を見るのははじめてだ」などいろんな発見がありました。こうしてひとつの展示だけでなく、いくつかの展示から線となった知識を得られるのはうれしいものです。
仏教の展示はできるだけ図録を買うようにしているのですが、仁和寺展の図録はお迎えできずじまいになってしまいました。図録を並べて眺めることでまた勉強になったりするんですよね。

 

今年は東洋美術の展示を観に行けなかったのが心残りなのと、画廊に行くご縁に恵まれなかったのが少々残念です。体調のこともあって、なかなかひとりで都心まで行けないので、来年は積極的に人を誘いたいところです。

 

そんな中でもフェルメール展を二度も観に行けたのはかけがえのない思い出になりました。私は手紙魔なので、手紙を書くという行為が絵に描かれているのがとてもうれしくて……何気ない普段の行為が美しい一枚の絵になって立ち上がっているのを見ると、自分の日々の行いも、見方を変えれば芸術になるのだなぁと気づくとともに、喜びがわきあがってきたのでした。美術というと、どうしても日常からかけ離れたもの、理想の美を描くものという固定観念がありますが、フェルメールの絵はその観念をやさしく取り除いてくれたなぁと。図録も無事にお迎えできました。

 

ルーベンス展はちょっとイレギュラーな形で観に行くことになったのですが、ルノワールが好きな私としては、ルーベンスの絵が古典となってルノワールに受け継がれて行くという系譜を目の当たりにできてしあわせでした。古典というものの奥深さと価値の重さを改めて感じるとともに、自分もまた古典に価値を置く人間なのだから、もっともっと勉強しなくてはという気持ちになりました。

 

そういう意味では東山魁夷展もいい勉強になりました。自分の得意とする日本の風景だけにとどまらず、海外に飛び出して行った東山魁夷の姿勢は尊敬に値します。個人的な好みで云えば京都の四季を描いた連作や、寺院の障壁画など、日本に根ざした絵の方が東山魁夷の持ち味が活かされていると感じましたが、それでも創作に携わる人間として学ぶものは多いと思いました。図録を買いそびれてしまったので、後日日本の古本屋でお迎えしました。

 

例年より足を運べた展示は少なくなりましたが、いろいろと考えるところの多い展示ばかりで、それはそれで充実した一年になったかなと思います。来年はもっとたくさんの展示を観られますように。

 

去年のまとめはこちら。

evie-11.hatenablog.com

 

一昨年前のまとめはこちら。

evie-11.hatenablog.com

【活動報告】2018年創作活動振り返り

5/6 文フリ東京
これがはじめてのイベント出店になりました。大学時代の文芸サークルの同期メンバーと作った「かもめ」での二年間の活動の集大成として、合同誌『かもめソング』と個人処女詩集『挽歌-elegy-』を頒布しました。

 

■『かもめソング』

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御影あや「Augen 生れおちた子』(SF)
いっこ「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア(現代小説)
竹雀「雀の小心」(エッセイ)
雨伽詩音「翠の鳥」(ファンタジー
というラインナップでした。

実は同人誌を作るのは今回が初めてのことで、いろいろと至らぬ点もあったかと思いますが、経験者の竹雀氏の協力を得て、どうにか頒布にこぎ着けました。
宣伝やブースの設営など、まだまだ勉強不足な感は否めませんでしたが、なんとか無事に完売までたどり着くことができました。
これはひとえにお手に取ってくださった方々のおかげです。本当にありがとうございました。

また佐々木海月さんが感想を寄せてくださったのも、メンバー一同感激いたしました。
海月さんには日々Twitterでお世話になっております。改めましてお礼申し上げます。

ブランペイン彗星の足跡 - 【感想】かもめソング

 

さらに私の書いた「翠の鳥」にはスケザネさんからご丁寧なご感想をいただきまして、今年一番の宝物と云っていいかもしれません。これほどの良き読者に恵まれて、作者冥利に尽きるとはこのことです。『かもめソング』がお手元にある方も、そうでない方もぜひご一読ください。

evie-11.hatenablog.com


最後に私の書いた「翠の鳥」について少し触れておくと、元々この作品を書くに至ったきっかけの自作の詩が二編あったのでした。

http://star-bellflower06.tumblr.com/post/162470086151/月神の子

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http://kamomesong.tumblr.com/post/157978380371/翠の鳥

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「翠の鳥」を書いたときに、竹雀氏から「これは小説向きだね」と評してもらって、じゃあ小説として仕立て直そうかと思ったのがきっかけでした。また「月神の子」の主人公の境遇は、そのまま「翠の鳥」の主人公・清雪に重なってゆきます。
こうして詩から小説に仕立てていくというのは自分には合っている手法なのかなと思うので、今後ともいろいろとチャレンジしていきたいです。

 

■『挽歌-elegy-』

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処女詩集ということで、慣れないながらも装丁にはこだわりたいという思いの丈をぶつけた詩集になりました。余白を広く取りたかったこともあり、またA5版の同人誌が好きなこともあって、あえてのA5版です。最近はA6版が主流なようですが……。広い余白の中にぎゅっと濃縮された詩の世界が詰まっているというイメージ通りにはなったのかなと思います。
おかげさまで試し読みを読んでくださった方から「中井英夫塚本邦雄のよう」と過分なお言葉をいただいたり、『特に「マディソン」が好き』というお声をいくつもいただきまして、ありがたいかぎりです。
来年の5/6の文フリ東京にも若干数持って行く予定でおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

試し読みはこちらから。

kakuyomu.jp

 

 

7/15
スケザネさんの主宰する文芸同人サークル「パセリ流星群」に加入しました。

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前述したスケザネさんとのご縁は、今年一番の収穫だったと云っても過言ではありません。
文学談義や創作トークなど、さまざまな刺激を日々いただいております。
今後とも切磋琢磨しつつ、創作に励んでいきたいです。

 


11/25文フリ東京
■酒アンソロジー『生きは酔々 二軒目』

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白酒というテーマで和漢折衷妖怪ファンタジー短編小説『山妖記』を寄稿しました。
この作品を書くにあたっては、スケザネさんから多大なご協力を賜りました。この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。
自分が普段得意としている和漢折衷の世界観で何かしら書きたいと思い、このたび白酒をテーマに選んだのですが、白酒の起源は宋代、本格的に作られるようになったのは清代中頃ということで、時代がかなり下るんですよね……リサーチ不足でした。それでもファンタジーということもあり、また主宰の黒い子さんのお慈悲もあって、このテーマで書かせていただくことになった次第です。
初稿から大幅に手を加えることになり、半年近くこの作品と付き合うことになったのも、今にして思えばよい経験になりました。当初は山中に隠れ住む幽客の話になる予定だったのですが、彼の出自を辿っていくうちに貴種流離譚のようなテイストになったのでした。
そして何よりうれしかったのは、Skype会議や感想メッセージを通じて、私の激辛感想を丁寧に受け止めてくださった方が多かったことです。出過ぎた真似を……と思いつつ、赤入れや感想を快く受け入れてくださった参加者の皆さんにお礼申し上げます。
おかげさまで読んでくださった方々からはご好評いただいた作品でもあり、今年書いた作品の中でもとりわけ思い入れの強い一作になりました。
物語を書く楽しさをあらためて感じさせてくれた作品になったなぁと思っています。

 

■手製本アンソロジー『MARGE』
「患者番号08396」という明治の病院をイメージしたサナトリウム文学風掌編を寄稿しました。
竹雀氏やスケザネさんからは「気持ち悪い」という反応をいただきましたが、そういう読後感にしたかったので、作品としては成功したかなと。実は現時点で本がまだ手元にないので、具体的な内容に踏み込んで紹介することはできないのですが、来年ご縁があればお迎えしたいなと思っています。

試し読みはこちら

usaurara.hatenablog.com

主宰のうさうららさんの各作品紹介はこちら

usaurara.hatenablog.com

 

■ネプリ「ペーパーウェル」

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体調が優れなかったこともあって、ネプリでの参加はできませんでしたが、寄稿する予定だった作品をカクヨムにUPしました。
クリスマスということで西洋風の詩を3編収録しています。
西洋風の作品はまだまだ磨いていく余地がたくさんあるので、これからも抽斗を増やすべく邁進して行きたいところです。
次回はネプリでの参加ができますように……。

 

最後に去年の創作振り返りの記事を貼っておきます。

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さて、来年は5/6の文フリ東京にて第二詩集と句集を頒布する予定です。
また掌編をもっと書き溜めて、いずれ掌編集としてまとめたいなと思っています。
それ以降のイベント参加予定は未定です。
個人的に小説としっかり向き合いたいという気持ちもあり、また生活面での変化もありそうなので、同人活動は抑えめになるかもしれません。
それでもかもめソングと個人サイト「紫水宮」は定期的に更新していくつもりでおりますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

【活動報告】摩天楼奇譚

先日Twitter300字SSに寄稿した作品をカクヨムに移しました。10月分を移植するのをすっかり忘れていたため、ふたつ併せて更新しました。

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一応、このブログは「このページだけで作品を読める」という点に重きを置いているので、重複にはなりますが、個人サイト「紫水宮」に載せたものも貼っておきます。

http://star-bellflower06.tumblr.com/post/180681780773/摩天楼奇譚

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前回の「東方瑠璃光世界」と同じく、この「摩天楼奇譚」も仏教がベースとなっている作品です。今回は珍しく現代が舞台で、いわゆる転生モノと呼ばれるジャンルです。あかあかやと詠んだお方は今更ここに書くまでもないので言及しませんが、よもや自分が転生モノを書くことになろうとは思ってもみませんでした。
だいたいこういう作品は即興で書いているので、実際にPCに向かってみなければ、何が生まれてくるかもわからないのですが。


いわゆる転生モノは私はどちらかというと苦手で、別の畑にいた時も極力避けてきたのですが、自分が書くときには人物にフォーカスするというよりは、彼の来し方行く末が時代を超えて直でつながるという面白さに惹かれたのでした。
永久の時間というものにフェティシズムを感じる類いの人間なので、時間操作の魔力に魅せられたのかもしれません。
そういうわけで時間SFが気になる今日この頃です。

www.hayakawa-online.co.jp

津原泰水のSFというと、彼から譲ってもらった『バレエメカニック』が面白かったので、こちらもぜひ読んでみたいところですね。

バレエ・メカニック (ハヤカワ文庫JA)

バレエ・メカニック (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

 

そしてTwitter300字SS公開日は、かもめソングの方も担当日だったので、「図書館という味方」というエッセイを書きました。

http://kamomesong.tumblr.com/post/180680917382/図書館という味方

kamomesong.tumblr.com

 

こちらは昨年書いたかもめソング — 図書館という希望というエッセイの姉妹編のような作品ですが、図書館に関するブログ記事やライフハックの記事をネットで読みあさって、それでもかゆいところに手が届かなかったので書いたのでした。
半ば自分への叱咤激励をこめて書いたのですが、パセリ流星群を主宰しておられるスケザネさんから「嘉村さんにとって図書館とは家庭なのですね」というお言葉をいただきまして、ようやく腑に落ちた気がしました。
先日は録画していたNHK美の壺」の図書館特集を観ていて、図書館の使い方も見方も求めるものも十人十色なのだなぁということを実感しました。
そのなかで自分なりの図書館との付き合い方について、一度まとめてみたくなって今回筆を執ることにしたのでした。
おかげさまでいつもより多くの方々にご反応いただけて、感謝の気持ちでいっぱいです。
今後とも折に触れて図書館のことをエッセイに書いていけたらと思います。